野球も変わっていく
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少年野球指導
野球も時代で変わっている。トレーニング方法、調整方法、そしてチーム、指導者も。野球はどんな方向に進んでいくのか。
技術と力
野球は技術のスポーツなのは間違いない。格闘技のように直接相手と戦うのでなく、ボールを投げてバットで打つ。その周りを走ってポイントを奪っていくスポーツだから。バットをうまく振って、ボールをしっかりと投げる事は技術である。
それでもやはり野球選手は身体能力が高く、運動神経の良さがあると良い。大谷翔平選手のように大きな体があり、しなやかな体の使い方ができる方が良い。速い球を投げるために、ボールを遠くに飛ばすために、速く走るために。それでも野球はいろいろな役割を分担していくスポーツで、単純にものすごいパワーを持っている人も活躍できる機会があれば、パワーはないけどうまくバットを振れる選手が活躍する場もある。もちろん両方を持っている必要はあるが。
体作りの部分はデータを使った分析がさらに進むとみられ、そういう選手は意外と多く出てくるかもしれない。しかし、問題はその体を使った動きができるようになるか、これは小さいころから自分の体を使い、体の動きを脳と一致させている事が必要で、その部分の進化はなかなかむずかしいかもしれない。
調整方法
練習について元2軍監督・日野茂氏が面白い話をしてくれた。キャンプで選手をみていると「いつまでたっても食べている選手がいた」という。昼におなか一杯食べた後、午後の練習に向かっていくがやはり動きは悪くなる。また昼にいっぱい食べられるので、朝食を食べない選手もいたという。
日野氏はそれを見て、基本的に昼は少なくするようにし、朝を多くとるようにしてもらった。そうすると選手の故障が、前年の1/3に減少したという。
チームや自分のトレーニングの方法が本当に理にかなっているのか、もう一度見てみると改善につながるかもしれない。
チームや指導者
そしてチームについて。かつては野球といえば監督が絶対で、言う事はほぼなんでもきかなければならなかった。そのチームの指導者がいう練習方法が正しいと信じ、それを行うしかなかった。
しかし今は、選手の横のつながりも強い。食事やトレーニング方法などは選手の方がよく知っている事もある。したがってチームの指導者は、青学大で箱根駅伝3連覇を達成した原監督のように、選手と対話し、目標を立てさせ、それに向かっては厳しい指導もするような形が、現代の指導法なのだろう。
そしてプロ野球でも、日本ハムの栗山監督が、選手としっかりコミュニケーションを取って、しっかりと選手を見て安心させ、ほとんど対等な目線で接する。育ってきた環境が変わってきているから。頭ごなしに指導をするような指導者は現在は合わないのかもしれない。
様々な変化があるものの、一つ言えるのは、確実に一歩先に進んでいる。選手個々の力を伸ばし、その選手の能力を発揮させていく、選手自身と指導者の工夫やアイディアで、野球は進化を続ける。
(記事:Professional-view Baseball 編集部)
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