プロ野球選手のポジションの変更は?
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プロ野球
プロ野球では時折、大胆なコンバートが注目される事がある。中日で「アライバ」と言われていた井端選手と荒木選手、元々は井端選手がショート、荒木選手がセカンドを守っていたが、当時の落合監督が井端選手をセカンドに、荒木選手をショートにコンバートした。他にも捕手や内野手から外野手にコンバートされたりと、様々な動きがある。
コンバートのポイント
石毛宏典氏は1987年にそれまで6年間守ったショートからサードに転向したが、この時は「膝の故障」があったから仕方なかったと話す。守備による足の負担は軽くなったのと、これにより長い年数プレーできたことはあると話す。
井端選手と荒木選手のコンバートについて落合氏はのちに、「二人が体を使わって打球を追わずに目で判断するようになっていた」と話し、長年ポジションを固定され、懸命さがなくなってきていたと判断したようだ。また井端選手の大学時代の指導者より「本質的にはセカンド」という言葉を聞いていたことや、「2,3年後には荒木をセカンドに戻すつもりだった」と、荒木選手を育てる意味合いも強かった。
コンバートを判断するポイントとしては、確かに守備の負担を軽くするという事もあるが、「やはり守備に難があるから」という理由が大きいと、プロ野球の2軍監督やヘッドコーチをしていた日野茂氏は話す。荒木選手のコンバートについても、スローイングに「イップスのようなかんじ」があったと石毛氏は分析している。
コンバートされた選手は?
石毛氏はサードのコンバートされ、確かに動く範囲も狭くなり足の負担や体力的にも軽くなったというが、サードは打球が強く、打球を見る事が難しかったと話す。日野氏も「サードは打球が見えない」と話している。それはそれで難しさや負担はあるようだ。
ただ、長年捕手を務めていた中尾孝義氏は外野手にコンバートをされたが、「ものすごくヒマだった」と話す。「下手をすれば1試合で打球が飛んでこない時もある。1球1球受けて投手の返球するキャッチャーとはえらく違った」という。
守備の課題があったり、体力の負担を軽くしたり、打撃に専念させたり、選手を伸ばす目的であったり、もちろんチーム戦力的に他の選手を起用するためという事もあるだろう。いろいろな事を考え、コンバートが決まる。それをチャンスとするかは、プレーする選手次第という事になる。
(記事:Professional-view Baseball 編集部)
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