野球のセンスとは?天才は存在するのか?元プロ野球選手が語る
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プロ野球
プロ野球の世界に、天才と呼ばれる選手がいる。それではプロ野球選手から見て「天才」はいるのだろうか?西武ライオンズ黄金時代のリーダー・石毛宏典氏、ヘッドコーチや2軍監督、またスカウトとして選手を育て、発掘してきた日野茂氏、現役時代に捕手のスタイルを変え、引退後はコーチやスカウトで選手を始動してきた中尾義孝氏にズバリ聞いてみた。
天才はいない
日米通算で最多安打を記録したイチロー選手、または165キロを投げ、長打力でもプロ野球選手たちを驚かせる大谷翔平選手など、天才と呼ばれる事がある。
「天才はいますか?」の質問に、石毛氏も日野氏はすぐさま「天才はいない」と答えた。「99%以上の努力」と日野氏は付け加えた。また、日野氏は「天才、という言葉は、力を発揮できずに去っていった人に使われる事が多い」と話した。話しの中では上宮高校で注目され、巨人でプレーしたものの主力として活躍した期間が短かった元木大介氏などの名前が挙がっていた。
石毛氏は「すぐになんでもできてしまう選手がそうなのかもしれないが、そういう選手が一流になったというのはあまり聞かない」と話す。
野球センス
ただし野球のセンスだったり、能力のある選手というのはいる。と3人は話した。身体が大きい事、けがをしない事、身体能力が高い事などが挙げられたが、「身のこなしがスマートな選手はセンスがあると感じる」と石毛氏は話す。「清原は力もあったし守備も上手かった。それ以上に能力があったのが秋山だった」と話し、また「小久保選手や松中選手は、身のこなしというよりは練習で鍛え上げてきた選手だったが、年を取っても練習を続けないと不安になるため練習を続け、故障が多くなっていった」と話した。
中尾氏は「例えば1歳、2歳、3歳の子が2人います。1人の子はテレビで野球を見ていました。もう一人の子は野球を見ていませんでした。そして二人におもちゃのボールを投げさせてみると、野球を見ていなかった子はしたからボールを放りました。野球を見ていた子は上からボールを放りました。このように目で見た情報を自分の体でできる子が、能力がある。センスがあるのではないかと思います」と話した。
石毛氏は「能力のあるスポーツ選手というのは、目で見た情報を脳に入れ、体の細胞に記憶をさせていくことができる選手の事」とまとめた。頭と体の神経が伴う事、頭のイメージ通りに体を動かす事がスポーツ選手の能力と言えそうです。
(記事:Professional-view Baseball 編集部)
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