石毛宏典氏が2016年シーズンを振り返る:パリーグ編
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プロ野球
2016年のシーズンについて、元西武ライオンズの石毛宏典氏に振り返ってもらった。今日はパリーグ編。
パリーグの成績
パリーグは最大11.5ゲーム差を逆転し、北海道日本ハムが優勝を収めた。前半飛ばしたソフトバンクは主力の故障などもあり後半に失速した。3位にはロッテが入ったがゲーム差は2位から大きく引き離されており、CSでも2強の強さが目立った。埼玉西武、東北楽天、オリックスはBクラスとなった。
パリーグの主な打撃成績と投手成績をまとめた。
石毛氏はまず北海道日本ハムの逆転優勝について、首脳陣の選手起用と栗山監督の采配を挙げた。まず日本ハムは、リリーフで結果を出せていなかった増井を一度2軍に下げ、先発として投げさせて真っすぐとフォークが安定して投げれるようにしてから上に挙げると、8試合に先発して5勝を挙げた。
他にも大谷翔平選手を1番投手で起用したり、様々な采配を行い選手をやる気にさせた。栗山監督はヒーローインタビューもきちんとベンチで見ている。西川や中田など、若くてやんちゃ選手に「しっかりと見ているぞ」という姿勢を見せ、「その代わり自分の指示には従ってもらうぞ」と強い姿勢も見せた。若い選手を使うのに「良い姿勢なのかもしれない」と石毛氏は話した。
逆に8月には優勝間違いなしとも言われた福岡ソフトバンクは終盤に優勝を奪われた。柳田選手やバンデンバーグ投手など主力に故障が出た事など原因が挙げられるが、石毛氏は「主力に故障が出ても戦力的に他の球団を上回ると評価しており、故障は理由にならない」と話す。「油断のようなものがあったのかもしれない」と指摘した。
力を発揮できなかった西武
また石毛氏は西武ライオンズについても優勝できる戦力があると話していた。しかし結果は4位だった。投打の成績を見ると、打撃部門では安打数や本塁打数がトップで打率もリーグ2位となっている。しかし投手の成績としは大体4位のものだった。菊池雄星投手がシーズンを通して投げることは今年もできず、ドラフト1位の多和田も終盤は勝ち星を残したがはじめのうちは結果を残せなかった。
ただし石毛氏は投手ばかりではないと指摘し、「守備で失点につながるプレーがあったり、ミスが多かった。」と話す。田辺監督の采配については「野手に遠慮しているようにみえた」と話す。「中村なんかはフルに使い続けないといけない」とシーズン途中に休憩を取らせながら起用をしている点を指摘した。
北海道日本ハムと千葉ロッテが監督も含めて頑張りを見せ、ソフトバンクと西武が力を発揮できなかった、と分析した。またオリックスについても「最下位になる戦力じゃない」と話す。
来年について
まずは日本ハムの連覇について聞くと、「福岡ソフトバンクは力のある選手がそろう状態は変わらない。日本ハムは今年頑張ったが戦力的にはソフトバンクの方が上」と石毛氏は話す。
西武については「ドラフト1位の今井君に頼ることはできないから、菊池やシーズン後半に頑張りを見せた多和田など投手陣の踏ん張りが必要」と話したが秋山選手を軸に「捕手として終盤頑張っていた」と話す森友哉選手の使い方がカギになるとした。また監督に就任した辻監督については「技術を教えられる監督なので期待できる」という。
(記事:Professional-view Baseball 編集部)
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