プロ野球の秋季キャンプはなぜ地獄なのか
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プロ野球
プロ野球は既に秋季キャンプが始まっている。長いシーズンの戦いを終えたプロ野球選手が、「地獄」と称されるキャンプで汗を流している。
秋季キャンプはなぜ地獄か
「秋季キャンプは春のキャンプとは目的が違う」と、元西武ライオンズでコーチを務めた日野茂氏は話す。秋は「来年に向けて特に期待している選手を選抜し集中的に練習をさせる」という事で、シーズンで戦ってきたこともあり、春に比べて体が動く、そしてなにより、「故障をしてもいい」という覚悟でコーチも選手も望む。
対して春は、故障はペナントレースへの影響を及ぼすし、ペナントレースに向けて調整をしていく。または誰が使えるかを見定めていくものであり、秋ほどのハードな練習とはならない。
取りやめ論について
数年前に、メジャーリーグを倣い、秋季キャンプを止めるという動きがあった。シーズンを戦ったレギュラー選手は体を休めたり、家族との時間を過ごす時期という事のようだ。ただしアメリカでもウインターリーグは秋から冬を通して行われており、上を目指す選手はやはり野球の練習を続けている。
これについて元西武ライオンズの石毛氏は「台湾や南米などでウインターリーグが盛んで、筒香も練習を続けたことで今年これだけの成績を残した。日本でも沖縄などでもっと開催すればいいのに」と話した。やはり若手やレギュラーでない選手が上を目指すには練習を継続していく事は大切である。
最後に石毛氏に秋季キャンプのことを聞くと、「俺はほとんど参加してないもん」と話した。16年の現役生活で11度の日本シリーズ出場、8度の日本一で秋は優勝旅行の回数の方が秋季キャンプに参加した回数より多い。やはりすごい。
(Professional baseball view 編集部)
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