*

2016年ドラフト指名選手を評価する

公開日: : 最終更新日:2016/11/10 プロ野球

 元西武ライオンズの石毛宏典氏と、元西武スカウトの日野茂氏に、今年のドラフト会議で指名された選手について評価をお願いした。また、来年の新人王候補についても聞いてみた。

中日がドラフト1位で指名した明治大の柳裕也投手については、だいたい140キロ前後を記録するストレートと、上から投げ下ろす曲りの大きなカーブが特徴である。柳投手の映像を見ると石毛氏は「前膝が緩むところがあるね」と指摘、力が全て球に伝わっていない点を指摘した。日野氏は「確かに大きなカーブがあるがプロならどちらかに絞って狙ってくる。速球がこれくらいだと対応できるかもしれない」と話した。

柳投手はこの2つ以外にもカットボールなど多彩な変化球がある。それらの使い方がプロで活躍する鍵となりそうだ。

 

東北楽天がドラフト1位で指名した横浜高の藤平尚真についてはどうだろう。石毛氏は「やっぱり下の力が上に伝わってないね。力はある」と話した。日野氏も「ボールが高めに行くピッチャー」と話す。そして日野氏は「中学時代に高跳びで優勝しているのだろう?だったらスカウトは野手の可能性も見て獲ったのでは?」と話した。

持っている馬力も身体能力も高い藤平投手、大化けしてプロで大投手になるか、または野手としての可能性など、プロ入り後にどのように成長するのか楽しみである。

 

DeNAが1位指名をした神奈川大の濱口遥大投手について石毛氏は「腕を振り切っている。ゲンちゃんみたい」と元プロ野球で左腕投手として活躍した河野博文投手を挙げた。日野氏も「同じ腕の振りで速球と変化球を投げられる」と厳しい二人の評価の中では高い評価をしている。

 

そして5球団が重複した創価大の田中正義投手については、大学3年生夏にプロの若手と対戦した試合と、肩の故障をした後の今年秋の投球を見てもらうと、日野氏は「体のキレが悪くなっている。のぺーっとした感じ」と話した。しかしながら5球団が1位指名をしたのには、やはり投げる球が他の選手とは違うという事だろう。石毛氏は「プロでは牽制が気になって投球に影響が出る投手も多い」と話す。プロは当然その欠点をついてくる。その課題に悩みすぎる事なく課題を克服し、アッと言わせる投球ができるか注目だ。

 

阪神がドラフト1位指名した白鴎大の大山悠輔選手については、打撃と守備の映像を見てもらった。すると日野氏は「バットを振ろうとするより当てるという事が強くなっている。手打ちで下から打とうとしていない」と状態や手で合わせようというしているところが気になるという。またサードの守備についても、「守備でも上から動いている。フットワークを使っていない」と指摘し、三遊間の緩い当たりでダイビングすれば捕球できそうな打球もダイビングを行わなかったことについて、「上から動いている選手はダイビングができない」と話した。ただし、サードライン際で捕球してファーストへ迷いなく投げているシーンでは「肩がある選手だと評価できる」と話した。

「ドラフト上位で指名するという事は、練習ではしっかりとできているのかもしれない。スカウトは練習も当然見ている」と話した。体が大きくしっかりとしている大山選手、金本監督は練習で鍛えて鍛えて一流に育てていけると考えたのだろう。その厳しい練習に耐えられる精神力と体力、それにかけたのかもしれない。

新人王

この他にも西武ドラフト1位の今井達也投手や、広島ドラフト1位の加藤拓也投手など1位2位指名選手はすべて見てもらった。そして新人王について二人に聞くと石毛氏は、この日は深く評価のコメントをしなかった「桜美林大の佐々木かなぁ」と話し、日野氏は「該当者はこの中では無し」と厳しく締めた。

各球団のスカウトは当然選手を試合だけでなく練習などもチェックをし、長い間その選手を見ている。その方がより正確な評価ができると思う。今回挙げたような試合で見られる課題をどのように克服していくのか。そしてプロ野球で活躍するのかを見守りたい。

(Professional baseball view 編集部)

関連記事

西武ライオンズはこれから上がっていく、石毛宏典氏が話す

西武ホールディングスの株主総会が行われ、西武ライオンズについて株主より厳しい意見が出たようだ。元西武

記事を読む

変わる背番号

プロ野球では新入団選手の発表が行われ、また他球団からの移籍選手や新外国人選手の入団なども続々ときまっ

記事を読む

今年のドラフトは豊作か?

プロ野球キャンプでは昨年のドラフト会議で指名されたルーキー選手、特にドラフト1位で指名された選手が、

記事を読む

【ドラフト会議特集2】ドラフト会議を待つ選手の心境、王道のドラフト候補・上田浩明の場合

 ドラフト会議を待つ選手にとっては、10月23日のドラフト会議に向けてそわそわしたような時期が続くよ

記事を読む

今年のルーキー世代は波乱万丈の世代

今年のプロ野球は、特にルーキーの活躍が目立っているように思える。阪神の高山俊選手(ドラフト1位)は、

記事を読む

新春のスカウトの動き

 年が明けた。12月までに前年にドラフト会議で指名した選手との契約が終わってから、スカウトにとって束

記事を読む

この12人はなぜドラフト1位指名されたのか

以前の記事「ドラフト1位候補の12人を石毛宏典氏、日野茂氏とチェック」にて、ドラフト1位指名されそう

記事を読む

プロ野球の名将のよもやま話、石毛宏典氏、日野茂氏が語る

プロ野球には名将と呼ばれる監督がいる。石毛宏典氏はプロ野球時代に根本陸夫監督、広岡達郎監督、森祇晶監

記事を読む

野球のトレンドは小柄でも飛ばせる選手、投げられる選手に?

 プロ野球は、だいたい180cm80kgくらいの選手がプレーしていて、近くで見ると大きく感じるという

記事を読む

プロ野球選手の引き際

プロ野球選手の引き際は、長年プレーしてきたベテランであっても、自分の意思で決められる選手は少ない。石

記事を読む



  • 解説者:日野茂氏(元横浜ベイスターズヘッドコーチ)


    解説者:石毛宏典氏(元西武ライオンズチームリーダー、オリックスブルーウェーブ監督、四国アイランドリーグ創立者)

    石毛宏典オフィシャルブログ「石毛漢動」
    石毛宏典オフィシャルブログ「石毛漢動」


    取材協力:元プロ野球選手が教える野球塾
    「ZEROベースボールアカデミー」
浅村選手、炭谷捕手などFA移籍でどうなるライオンズ、石毛宏典氏が語る

今年、パリーグを10年ぶりに制覇した埼玉西武、浅村選手、山川選手、秋山

日野氏は金足農・吉田投手、石毛氏は浦和学院・渡邉投手を評価

プロ野球ドラフト会議が近づいてきた。今年も多くの選手が注目される中で、

石毛宏典が西武の戦いに「普段通りやるしかない」

10年ぶりにパリーグ優勝を飾った西武ライオンズ、かつての黄金時代のキャ

石毛宏典氏と日野茂氏が根尾選手と小園選手を評価

夏の甲子園が終わり、U18アジア大会を戦う選手たち。その中で、西武ライ

盗塁:バッテリーとランナーの3.3秒の攻防

盗塁は、日本の野球に置いて、チャンスを広げ、得点を挙げるために重視され

→もっと見る

PAGE TOP ↑