野球の未来へ
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東京オリンピックでは、野球が競技として実施される。2020年に向けた目標は明確になった。しかし2020以降も野球は発展していかなければならない。
野球の立ち位置
野球は、ご存じのようにアメリカ発祥のスポーツ、アメリカのスポーツというのはアメリカの国内リーグがワールドリーグ、つまり世界一であると位置づける事が多い。野球もメジャーリーグが世界の中心であり、リーグトップを決めるシリーズをワールドシリーズ、その優勝チームをワールドチャンピオンという。
選手は基本的に北米、中南米の選手を集め、韓国、台湾、日本のプロ野球でプレーしていた選手も参加している。それだけでもメジャーリーグを中心としたアメリカの野球は発展しており、多くの選手がプレーし、巨大な市場を作り出している。
しかし、世界に目を向けると、オリンピックやWBCなどで実感する通り、野球の参加国というのは本当に少ない。メジャーリーグも世界にすそ野を広げる活動をしており、ヨーロッパや中国でキャンプをしたり交流イベントを行っていたが、オリンピックへのメジャーリーガーの参加をさせなかったり、WBCもチームの契約が優先され、最強チームと呼べるようなチームはまだできていない。
日本国内を見ると、遅ればせながらプロ野球のビジネスも以前に比べて盛んとなった。観客数は2015年はセパ合わせて約2424万人の観客が入った。2005年に実数発表になりその年は1992万人だったので10年間で400万人以上も観客が増えている。
また高校野球の観客数も2015年の夏の甲子園大会は約86万人となっている。ただし高校野球の甲子園大会は、出場している選手などにより観客数が増減する。1990年の夏の甲子園大会には約93万人が入っており史上最高だったが、それからやや減少したもののまた徐々に観客数が増え始めている。
しかし、野球部員数を見ると約16万7千人で2014年から約3千人ほどへり、大会への参加校も平成17年の4253校から現在は4014校へと減少した。高校自体が統廃合されている事もあるが、単独で9人の選手が集まらず、合同チームで参加する所もめだつようになってきた感じもする。
2020
2020年の東京オリンピックでは現在、プロ野球や大学、社会人でプレーしている20代前半の選手たちが中心になってくる。そしてそれらの選手がオリンピックで活躍すれば、野球をやってみようと思う選手もやや増えるだろう。しかし、オリンピック競技として野球が続いていくのは非常に難しい状況となっている。
東京オリンピックでもMLBの選手の参加が微妙であることや、プレーしている国や人口の少なさが問題視された。オリンピック委員会は、スケートボードやスポーツクライミングが世界の若者で指示されていることから、そちらの方を優先する意見もあった。
サッカーを見ても、W杯やオリンピックは盛り上がるきっかけの一つになっている。今は毎年行われる高校野球やプロ野球の盛り上がりがあるものの、世界大会は大きな盛り上がりの要素となる。WBCやオリンピックで野球が盛り上がるように、できれば存続させてゆきたいものだ。
野球の未来系
日本は少子高齢化で人口が減っていくのは間違いなく、今の野球の盛り上がりを維持できるかどうかは分からない。しかし選手一人一人の技術や体の強さは間違いなく上がっているし、白球を追い、一生懸命プレーする姿はいつまでたっても人々を魅了するだろう。
まずは高校野球、参加人数や学校数は少なくなるかもしれないが、地方大会の1試合1試合で選手が一生懸命勝利に向かってプレーする事で、その想いは甲子園大会の決勝へと繋がっていく。
また、現在も台湾などに選抜チームなどで海外遠征をしていることが多いが、野球を通じた外国との繋がりは、今後ますます重要になってくる。野球を世界のスポーツにしていく事で、オリンピックやWBCの盛り上がりにつながるし、日本の高校野球にあこがれて留学してくる外国の選手も増えるかもしれない。
野球はサッカーに比べ年間試合数が非常に多く、それだけ収入が得られやすいスポーツでもある。また専門的な技術があれば、活躍できる特殊なチームスポーツでもある。もっと多くの人に参加してもらえる貴重なスポーツだと思う。多くの人に注目され、やってみたいと思えるスポーツであり続けてほしい。
(Professional baseball view 編集部)
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