「山田哲人はセンスの塊」、石毛宏典、日野茂が話す
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プロ野球
東京ヤクルトの山田哲人選手は180cm76kgの内野手だ。見た目にはスラッガータイプに見えないし、びっくりするほど大きな体でもないのだが、昨年は38本、今年もすでに29本のホームランを放ち、打率.329、盗塁34でトリプルスリーを達成した。そして今年は、現在、打率、打点、本塁打、盗塁の他、安打数、出塁率でもリーグトップを走り、3冠王の可能性が高まっている。この山田選手は何がすごいのだろうか?元西武ライオンズの石毛宏典氏、日野茂氏に話を聞いた。
センスの塊
山田選手について、二人が共通して話したのは、「センスの塊」という事だった。昨年の日本シリーズで1試合3本塁打を放った試合があったが、その打撃を見ても1本目は甘い変化球をバットに載せて、バックスクリーン左横に運び、2本目は外角のストレートを同じようなところに運んだ。そして3本目はソフトバンク・千賀投手の沈む球やインコースに抜けてくる球がある中で、インコースのやや厳し球を体の回転で運び、レフトスタンドに運んだ。
石毛氏はこの打撃について、「ヘッドの使い方が非常に良い。芯の位置をしっかり確認し分かっている。ヘッドスピードが速いが軸がぶれたりしない」と話した。日野氏は右手の使い方について「あたってからすぐに返していない。もうひと押ししている」とポイントを話した。
打撃については申し分なく、「センスも塊」だった。
足を上げるタイミングの取り方
1つ質問をした。DeNAの筒香選手が、昨年までは足を上げていたが今年からは足を上げないフォームに変えた。シーズンオフにドミニカのウインターリーグに参加したが、足を上げていたのでは相手の動く球や速球にタイミングを合わせづらく、足を上げないフォームに変えたという。
山田選手は大きく足を挙げる打撃フォームだが、これについて聞いてみると「体が無い選手は足を上げ、重心移動によって反動をつけて飛距離を伸ばそうとする。この時に肘の使い方と膝の使い方がおかしくなければ良い」と話した。そして、「タイミングの取り方は各自のものがある。何が良くて何が悪いという事はない。キッチリとバットに当てることができれば良い」と話した。
今年も結果を残し続ける山田選手、野球の歴史の中で輝くバッターの一人であることは間違いない。
(記事:Professional-view Baseball 編集部)
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