*

学生野球の怖さ

公開日: : 大学野球

東都大学野球リーグは亜細亜大が8勝2敗で優勝を勝ち取った。開幕2連敗からの逆転での優勝だった。学生野球の怖さについて、駒澤大OBの石毛宏典氏、中央大OBの日野茂氏に聞いた。

戦国東都

東都大学リーグは1部が6チーム、2部も6チーム、3部6チーム、4部3チームの合計21チームが所属している。そして中央大、駒澤大の他、専修大、日本大といった歴史も強さも備える大学が所属し全国から選手が集まってくる。そのため、前年に大学日本一に輝いたチームが翌年は2部でしかも下位の方になる事もあり、大学NO.1の激戦リーグと言える。

その中で今年は亜細亜大がリーグ制覇し、昨年秋に続いて連覇を成し遂げた。北村祥治、藤岡裕大や板山祐太郎など主力の野手がごっそりと抜け、エースといえる投手も確立できない中でシーズンに突入し、開幕の国学院大カードで2連敗した。

しかし、そこから生田監督が腹をくくり、投手は球速よりも四球を与えないこと、打者は四球を選ぶことを徹底させ、球速はそこそこだが制球の良い投手を先発に起用し、専修大とのカードでは野手は先発の9人しか使わないなどレギュラーを固定し、8連勝で優勝を飾った。

それと対照的だったのが中央大で、こちらも戦力的には入れ替わりがあったものの、2年生の伊藤投手などが頭角を現し、期待は高まっていた。しかし初戦となる東洋大とのカードで2連敗すると、その後、亜細亜大とのカードでも2連敗するなど8連敗、最後の専修大とのカードで連勝して意地を見せたものの最下位が確定した。

2部では昨年秋に降格した駒澤大が最後かろうじて3位に浮上したものの苦しい闘いを続けた。その中でプロ注目の黒木優太のいる立正大が快調に連勝を重ねたが、最後は青学大が逆転で優勝を勝ち取った。中央大と青山学院大で1部2部の入れ替え戦を戦う。

学生野球の怖さ

中央大OBの日野茂氏は「怖いねぇ」と話し、苦しい闘いとなった母校の成績を憂い、「前年に戦力が整ったチームでも1年経つと全く別のチームになる。」と話した。2部に降格した駒澤大OBの石毛氏も「2部も大変厳しい。打線が打てない。立正大は1部を含めても最も強いんじゃないかと評判だった」と話した。

その石毛氏は実は大学4年生で主将としてチームを率いたときに、入れ替え戦を経験している。石毛氏の3年生までは6シーズンで5回の優勝を誇った。しかし前年に主力が抜けたチームは一気に最下位へと沈んだ。「先輩が築いた歴史を潰すのかと、当時のプレッシャーは凄かった」と話した。

また当時はスポーツでは根性論が大きく、入れ替え戦の前日に太田監督は夜に選手を起こし、朝の4時まで打者はバットを振り続け、投手はシャドーピッチングをして試合に臨んだという。

それは余談だが、大学野球は毎年選手が入れ替わる。その中で常に1部に身を置くチームになるには、「常に下級生を積極的に使わないといけない」と二人は話した。

(記事:Professional-view Baseball 編集部)

関連記事

【大学野球選手権特集】仙台大・熊原健人投手を元プロスカウトが評価する

 大学野球選手権が始まりました。大会前に巨人がスカウト会議を開き、富士大の多和田真三郎投手と共に、仙

記事を読む

70連敗を止めにいった東大の誤算

東京六大学では東京大学がワーストタイの70連敗となった。2010年の早稲田大学戦で斎藤佑樹投手に勝っ

記事を読む

来年は野手に注目選手が!2015年のドラフト

 ドラフト会議の目玉選手は多くは投手の場合が多い。しかし来年は久しぶりに野手が注目される年となりそう

記事を読む

さらにすそ野が広がる大学野球

日本の野球界は、高校野球は高校野球連盟の調査によると平成27年度には4021校、168,898人の部

記事を読む

今度は大学生、社会人の季節

センバツ高校野球が盛り上がりの中で幕を閉じた。そしていよいよ週末に、一部の大学リーグ戦がスタートする

記事を読む

【ドラフト会議特集7】ドラフトの目玉、早稲田大・有原航平投手はプロで活躍できるか

 今年のドラフト会議(10月23日)まであと10日を切り、各球団の動きも最後の慌ただしさを見せている

記事を読む

東都で優勝した専修大学、まだ狼煙を上げただけに過ぎない

 東都大学リーグは専修大が26年ぶりの優勝を飾った。前回優勝時に6勝を挙げてMVPを獲得した岡林洋一

記事を読む

早慶戦が他の試合と違う点

今日から東京六大学リーグでは早慶戦(慶早戦)が行われています。なぜ早慶戦が特別なのか、理由を挙げてみ

記事を読む

京都大学の勝ち点への道のり

関西学生野球リーグの京都大学が5月7日の同志社大戦で勝利し、23季ぶりの勝ち点を挙げた。この勝ち点の

記事を読む

来年の野球はどうなる? その2:大学野球

  今年もあと1週間となりました。来年の野球界の動きや予想などをしてみます。今日は大学野球について。

記事を読む



  • 解説者:日野茂氏(元横浜ベイスターズヘッドコーチ)


    解説者:石毛宏典氏(元西武ライオンズチームリーダー、オリックスブルーウェーブ監督、四国アイランドリーグ創立者)

    石毛宏典オフィシャルブログ「石毛漢動」
    石毛宏典オフィシャルブログ「石毛漢動」


    取材協力:元プロ野球選手が教える野球塾
    「ZEROベースボールアカデミー」
浅村選手、炭谷捕手などFA移籍でどうなるライオンズ、石毛宏典氏が語る

今年、パリーグを10年ぶりに制覇した埼玉西武、浅村選手、山川選手、秋山

日野氏は金足農・吉田投手、石毛氏は浦和学院・渡邉投手を評価

プロ野球ドラフト会議が近づいてきた。今年も多くの選手が注目される中で、

石毛宏典が西武の戦いに「普段通りやるしかない」

10年ぶりにパリーグ優勝を飾った西武ライオンズ、かつての黄金時代のキャ

石毛宏典氏と日野茂氏が根尾選手と小園選手を評価

夏の甲子園が終わり、U18アジア大会を戦う選手たち。その中で、西武ライ

盗塁:バッテリーとランナーの3.3秒の攻防

盗塁は、日本の野球に置いて、チャンスを広げ、得点を挙げるために重視され

→もっと見る

PAGE TOP ↑