*

高校野球は練習方法を変えれば、まだまだ上手くなる(1)

公開日: : 高校野球

昨年、高校野球100年という事で、沢山のイベントが行われ、夏の甲子園も大いに盛り上がった。とても長い歴史を持つ高校野球、様々な選手や指導者、関係者によって100年間磨き続けられ世界に例をみなアマチュアスポーツの大会となっている。しかし、その高校野球だが、練習方法一つを取ってみてもまだまだ改善の余地はあると、共にいろいろな高校から要請を受け指導を行っている石毛宏典氏、日野茂氏は話す。

練習方法がまだなっていない

アマチュア指導の資格を回復している石毛宏典氏と日野茂氏は、いくつかのアマチュアのチームから指導の依頼を受けて教えている。しかし、最初にぶつかるのは、これまでの歴史が培った、偏った練習方法だと話す。

それほど強豪ではないものの、県大会などではベスト16くらいまでに顔を出すチームでも、練習方法には課題がたくさんある。石毛氏はチームの選手たちが非常に窮屈そうにバッティングをしていることが、最初に気になった。打球はゴロがおおいし外角を逆方向に打つ打球が目についたという。そしてそれはバッティングカウントでも同じように見られた。そこで石毛氏は監督と相談し、

「バッティングカウントではインコースを狙って思い切り引っ張る事。そして追い込まれたら逆方向にしか狙わない」という事を徹底させた。これを徹底させたことで、強い打球が増え始め、これまでホームランを打ったことのない選手もホームランを打ったという。

これについては日野氏も気になっており、まず監督に「ホームランを打つ練習をしよう」と提案をしたという。日ごろはゴロを外角の球をゴロではじき返す練習をしていた選手も、ホームランを打つ練習ときいて「みんなニヤニヤして笑顔になっていた」と話す。練習の最初のうちは内野フライなど飛球に終わっていたが、そのうち外野のフェンスまで届くようになっていった。そして試合では「身長が大きくない子もホームランを打ってニコニコしていた」と話した。

ちなみにそのチームは現在行われている春季高校野球大会で県大会まで出場し、1チームはベスト16に入り、他のチームは敗れたものの、センバツに出場したチームやAシードのチームに1点差、2点差の試合を演じた。

3年間で1本ホームランを打とう

もちろん技術的なものもある。インコースを狙うのも、当然長打を打つにはインコースを思い切り引っ張るほうが良い。真ん中の球をセンター方向に打っても、外角の球を逆方向に打ってフェンスを越えるのは、プロ野球選手でもなかなかいない。

そしてそのためには後ろの手でスイングをすると下に入ってしまうので、ホームランを打つためには前の手が大事になる。このようにして打撃の技術向上にもつながるし、選手のパワーもついてくる。なにより必死にフェンス越えを狙って強く振るようになる。

石毛氏は選手に「高校野球3年間で1本はホームランを打とう」とアドバイスをした。それを聞いていた監督は「名言だった」というが、石毛氏は「当たり前のことだよなぁ」と話した。

選手の可能性を

高校野球や少年野球、または大学野球に至っても、試合に勝つために、フライを打ち上げるのではなくてゴロで転がす事、そのために上から叩く事、逆方向に打つことなどを徹底させられる事がある。

少年野球のチームを見ても、4番の身体の大きな選手一人は自由にバッティングをしているが、それ以外の選手はみんなゴロを打っているというチームも相当、目にする。

それはチームが勝つことが優先されているからだろう。もちろん野球で試合に勝つことで、チームの知名度も上がったり、その指導者の評価も上がる。ただし、そういう勝利至上主義には、「ボランティアでやっていると言いながらも権力を手にしたいと思っている」人もいると指摘する。

そして日野氏は「子供の可能性の方が大切だ。」と話した。

 

つづく

(Professional baseball view 編集部 柄井)

関連記事

夏の高校野球、2011年からの選手宣誓の内容と宣誓をした主将たち

 いよいよ夏の高校野球、甲子園大会が開幕しました。今年は作新学院主将・中村幸一郎選手による選手宣誓が

記事を読む

プロ志望届例(栃木県高校野球連盟ホームページより取得)

高校生のスカウト活動は最終段階へ、プロ志望届からドラフト会議まで

 夏の高校野球大会が、甲子園で熱戦が繰り広げられています。1回戦と2回戦までの代表49校すべてが登場

記事を読む

今年のドラフトの目玉は高校生左腕、履正社・寺島成輝投手を元プロスカウトが評価

 今年ドラフト会議では、創価大の田中正義投手が一身に注目を浴びている。10年に一人、20年に一人と評

記事を読む

高校野球は変わるのか?

 高校野球の熱戦が各地で繰り広げられている。その中で、いくつかのチーム名が連なる連合チームや、他の部

記事を読む

大谷・藤浪世代で次に出てきそうな選手と、その次の世代

 プロ野球では6月11日に北海道日本ハムvs巨人戦では北海道日本ハムの大谷翔平投手、阪神vs千葉ロッ

記事を読む

小豆島と小豆島高校と甲子園

小豆島高校がセンバツ大会に出場、1-2で惜しくも敗れ甲子園1勝はならなかったが、落ち着いた戦いぶりを

記事を読む

石毛宏典氏の高校野球への提言

8月が終わり、高校野球は新チームの戦いが始まっている。この夏も各地で、甲子園で多くの選手がプレーした

記事を読む

センバツで羽ばたくか、大阪桐蔭・高山優希投手を元プロスカウトが評価する

 今年のセンバツ高校野球大会には、去年の県岐阜商・高橋純平投手のような目玉の投手はいない。しかし、プ

記事を読む

高校野球、2014年の夏の甲子園入場者数は歴代5位で斎藤佑樹・田中将大の年を上回る

 2014年夏の高校野球大会は大阪桐蔭が優勝した。今年の夏の甲子園の入場者数は約85万3千人で、これ

記事を読む

高校野球のベスト8と地域の差

 今年の夏の高校野球選手権、北信越地区や東北地区の活躍が目立った。しかしベスト8には実力のある東海、

記事を読む



  • 解説者:日野茂氏(元横浜ベイスターズヘッドコーチ)


    解説者:石毛宏典氏(元西武ライオンズチームリーダー、オリックスブルーウェーブ監督、四国アイランドリーグ創立者)

    石毛宏典オフィシャルブログ「石毛漢動」
    石毛宏典オフィシャルブログ「石毛漢動」


    取材協力:元プロ野球選手が教える野球塾
    「ZEROベースボールアカデミー」
no image
桐生第一・蓼原慎仁投手が甲子園のマウンドに

ゼロベースボールアカデミーで、小学校3年から6年間、野球の練

浅村選手、炭谷捕手などFA移籍でどうなるライオンズ、石毛宏典氏が語る

今年、パリーグを10年ぶりに制覇した埼玉西武、浅村選手、山川選手、秋山

日野氏は金足農・吉田投手、石毛氏は浦和学院・渡邉投手を評価

プロ野球ドラフト会議が近づいてきた。今年も多くの選手が注目される中で、

石毛宏典が西武の戦いに「普段通りやるしかない」

10年ぶりにパリーグ優勝を飾った西武ライオンズ、かつての黄金時代のキャ

石毛宏典氏と日野茂氏が根尾選手と小園選手を評価

夏の甲子園が終わり、U18アジア大会を戦う選手たち。その中で、西武ライ

→もっと見る

PAGE TOP ↑