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石毛宏典氏が語る、スランプに落ちる瞬間と2年目のジンクス

公開日: : プロ野球

プロ野球選手は143試合の長丁場を戦う、この間に何度か調子のよい時と悪い時を迎える。プロ野球で16年間を送った石毛宏典氏は、打てずにスランプに落ちる瞬間の怖さ、そしてそこから復活する為に、また2年目のジンクスについても語った。

絶好調の後に

1年間を戦うのにまず、絶好調の期間があると石毛氏は話す。「どんな球が来ても打てるし、何をやっても上手くいく状態の時期がある。」俗にいう、「入った」状態になる。この時はバッターボックスでもリラックスしていて、相手投手を完全に飲み込んでいる状態で、相手投手からみれば、どこに投げても打たれそうな状態になる。

しかし、この状態は「せいぜい一週間くらいしか続かない」と言う。そしてこの一週間に雨などで試合が中止になると、地団太を踏むほど悔しいという。

そしてスランプは、この絶好調の一週間のあとに訪れる。好調の後に、捉えたと思った打球が捕球されたりすると、「あれ」と考えてしまう。そして絶好調の時の打撃や状態が忘れられず、「自分はそのくらいできるもの」と考え、その状態を追い求めてしまうのだ。好事魔多し、というものか。

 

スランプとは

では悩む時期とはどういうものだろう。まず、どのくらいの成績になると、自分は不調だと思ってしまうのか、石毛氏は「2試合ノーヒットになると」不調だと考えてしまうという。そして2試合ヒットが出ないと、あれやこれやと考えてしまう。好調時でなくても打てていた球にバットが出なかったりしてしまい、追い込まれてとにかくいろんなことをやろうとする。「バントの構えから打ってみたりという事もしていた」。

スランプから脱するタイミング

まずスランプから脱するきっかけというのは、石毛氏は「とにかく何でもいい、どんな当たりでもいいから「H」のランプがついたりすると、それがきっかけになる」と話した。選手によってはヒットでなくても、捉えたあたりが出たりすれば、それがきっかけになる。

また「コーチの一言も大きい」という。石毛氏はある時、狙っていた絶好級のストレートにバットが出なかった事があったと言い、土井正博コーチに相談をした。すると「全打席エンドランだと思って打ってみろ」と言われたという。エンドランは、ランナーを進めるためどんなボールでもバットを出す。それによってヒットが出て、スランプを脱出したことがあるという。

西武ライオンズのコーチをしていた日野茂氏も「バットが出なくなっている選手に、エンドランの気持ちで打てというのは、良く使う手段」だという。しかしコーチの役割として大きいのは、「選手に好調時の姿を教えてあげる、また、好調に持っていくアドバイスをすること」だという。

スランプから抜け出す方法

ただしスランプから抜け出す方法として石毛氏は、「とにかくバットを振った」と話した。2試合ノーヒットが続くと次の日は早出で特打ちをした。それでもヒットが出ない時は遠征先でもホテルの部屋でバットを振り続けたという。

そして、「これをやっていないと、スランプを脱するきっかけすらつかめない」と話す。例えば前述のエンドランの気持ちで打席に入っても、ちゃんとバットを出して結果に繋がらなければ、スランプを脱出できない。不調時にしっかりバットを振っているから、そのチャンスをつかむことができる。

2年目のジンクスも共通

俗に言われる2年目のジンクスも、同じ原理だという。基本的に2年目のジンクスは、1年目に活躍した選手にしか言われない。石毛氏は1年目に.311、21本塁打の成績を残す大活躍を見せた。しかし、2年目は打率.259、15本塁打と成績を落とし、2年目のジンクスを経験した。

ルーキー選手はプロの洗礼を浴びる。ある程度結果を残し始めると、バッターはインコース攻めをされたりする。しかし石毛氏は、「ルーキーイヤーで出始めていきなり死球をくらったりしたが、その後もまったく怖いと思わずにやっていた」と話した。

そして1年目に成績を残すと、今度は「自分はもっとできる」と考えてるという。そして2年目までのオフに、「1年間を振り返り、自分の課題を洗い出してそれを克服しようとする」という。それが結果的に自分の弱点を意識してしまったりして、「苦手な変化球を打とうとして、これまで打てていた球も打てなくなったりしてしまう。」という。

絶好調時の自分、前の年の自分を「評価してしまう事」がスランプや2年目のジンクスに持って行ってしまう。

しかしスランプも2年目のジンクスも悪い事ではない。それを乗り越えたとき、さらに上の自分の姿がある。成長するのには必要な事なのかもしれない。

(Professional baseball view 編集部)

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