ドラフト候補の勝負の季節
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アマチュア野球
今年のドラフト戦線も、序盤戦から中盤戦に入ってきた。この時期にスカウトの目に留まった選手が、夏以降に複数のスカウトにチェックをされ、プロへの扉に近づく事になる。
高校、大学、社会人のモチベーション
センバツ高校野球大会が終わり、プロ野球でも新しいシーズンがスタートした。そしてこの気候の良い季節は、高校野球、大学野球、社会人野球にとっても、大会を開くのに良い季節であり、全国各地で一斉に大会が始まる。昨年獲得をした選手に張り付いていたスカウトや、甲子園に集結していたスカウトたちが、一斉に全国へ散らばる。
高校野球は春季大会、県の地区大会、県大会、そして地方大会が行われる。夏のシード権が決まるものの、この勝敗によって直接甲子園につながるというものではなく前哨戦という雰囲気もある。しかし、一冬を越えて選手の成長を確かめたり、入学してきた新戦力を試したり、夏に向けたチーム作りにおいてとても大切な大会である。
それに比べると、大学野球は本番そのものとなる。大学生の全国大会である全日本大学野球選手権の出場に向けて、まずはリーグ戦を優勝しなければならない。そしてプロを目指す選手にとっても、この春にアピールできなければ、プロへの扉は遠くなる。ドラフトの前には秋季リーグがあるものの、その時期にはプロは既に選手の絞り込みをしてしまっている。
社会人も秋の日本選手権を目指す大会が各地で行われる。その大会で優勝すれば日本選手権への出場を決める事になるが、各チームとも早めに日本選手権の出場を決めて、社会人の華である都市対抗へ向け、できればチームの戦力を試したいと考えている。
アピールできるか
それぞれ、今の季節の大会へのモチベーションは様々だが、プロを目指す選手にとっては、この季節は非常に大切だ。基本的にプロ球団は、この季節にリストアップをした後、6月くらいから始まる大学野球選手権都市対抗、そして高校野球の夏の大会前には選手の絞り込みを開始する。まずはリストアップされなければ、扉が閉ざされる。一度スカウトに見に来させる、そういうプレーをしなければならない。
高校を始め大学のチームも地方から逸材が出てくる事が多くなったと思う。スカウトもその逸材を見に各地に足を運ぶ。しかし、地方のチームにはやはり何度も足を運ぶ事は難しい。東京六大学や東都リーグのように毎試合必ずどこかのスカウトがいるような事にはならない。その数少ないチャンスでいかにアピールできるか、これは現在行われている水泳のオリンピック出場争いのように、一発勝負に近いものがある。
今年はどんな選手がそのチャンスをつかみ、スカウトやマスコミに名前が挙げられ、そしてプロへの扉に近づいていくのだろうか。
(Professional baseball view 編集部)
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