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育成ドラフト指名選手の1年目での支配下登録

公開日: : プロ野球

巨人は2015年ドラフト会議において育成ドラフト8位で指名し、育成枠で契約をしていた長谷川潤選手と支配下契約を結んだ。またオリックスも育成ドラフト1位で指名をし、育成枠での契約をしていた塚田貴之投手の支配下登録を検討している。

確かに、努力で支配下登録の夢を掴み取った事は素晴らしい事だが、球団の都合による面で課題もある。

育成枠

育成枠については、育成ドラフト指名選手の支配下登録率はどのくらいか?の記事で2014年までに支配下登録となった選手を紹介しているとおり、かなり多くの選手が育成枠から支配下登録になっている。

また、これまでであれば70人の支配下登録選手を外れ、引退をしなければならなかった選手も育成枠によって球団にとどまり、そこから再び支配下登録へ戻る選手もいて、非常に活用されており、球団にとっても選手にとっても良い制度のように見える。

しかし、ドラフト会議の時に育成ドラフトで指名され、昨年11月や12月の時点で育成選手として契約をした選手が、シーズンが始まって間もないこの時期に、相次いで支配下登録される、またはされそうだという。もちろん、育成枠の選手が、オープン戦やファームの試合の結果によって支配下登録枠を勝ち取る事については、大変素晴らしい事だと思う。長谷川投手や塚田投手が1軍で登板し、ファンも憧れる選手になってほしい。

でも別の面から見ると、これだけ早い段階で支配下登録されるのならば、本来は育成ドラフトではなくドラフト会議で指名され、支配下登録選手として契約するべき選手だったのではないかという考えもできる。

契約金は野球界のエコシステム

ドラフト会議で契約し、支配下登録選手として契約した選手には、基本的に契約金が支払われる。ドラフト1位では1億円+出来高5千万円、以下は指名順位に応じたり、高校生や大学・社会人の違いもあるが、下位指名の選手でも1000万円くらいの契約金が支払われる。しかし育成ドラフトで指名され、育成枠で契約する選手には、支度金として300万円前後の金額が支払われ、今回の長谷川投手も塚田投手も支度金は300万円だった。

基本的にプロ野球選手は自営業であり、バットやミット、トレーニングの費用、自動車などの交通費は、自分の年俸から拠出する(実際には野球用具などはスポンサー契約をしている大物選手から回ってくるようだが)。基本的にまだ年俸をもらっていないルーキーの育成選手は、その支度金で野球用具を調達したりする。

しかし、プロ野球選手というのは、もちろん本人の努力やその家族の努力が大半を占めるものの、その選手を指導したりチャンスを与えたりした関係者の役割も少なくない。プロ野球選手となった暁には、契約金の中から、ネットを新調したり、バットやボールを提供して、チームに還元する事が多い。

特に独立リーグにおいては、選手も他の仕事をしながらプレーをしていたり、チームも地元のスポンサーに協力をいただきながら運営をしているため、野球の用具や練習の環境が抜群に良いという事はない。そういう状況で毎年多くのプロ野球選手を排出しており、NPBのために、日本の野球の発展のための役割を果たしている。

本来はプロ野球選手が誕生すれば、契約金からチームへと還元される流れができるのだが、育成枠の支度金ではそれはできない。長谷川選手の出身の石川ミリオンスターズや金沢学院大、成立学園や、塚田選手の出身の白鴎大は白鴎大足利には、プロ野球からの還元はほとんどない。

四国アイランドリーグを立ち上げた石毛宏典氏も、NPBの育成ドラフト制度について、「ずるい制度」と話している。

日本野球の頂点としてのNPB

何度も話すが、育成枠でプロ球団に入団し、2,3年努力をして成長して支配下登録を勝ち取ったという事であれば、良い事だと思う。しかし、1年目のこの早い時期に育成ドラフトで指名した選手を支配下登録するのは、契約金を支払いたくなかったからではないかという考え方も湧いてくる。

少なくともこの時期に支配下登録される選手を育成枠としてみていたのならば、スカウトの見る目は無いといえる。そのくらいのプライドを持ってほしい。

NPBは自分たちに良い選手を送り出してくれるアマチュア野球や独立リーグにもっと還元をするべきだと考える。今年もシーズンが開幕し各球団とも盛り上がりの中でスタートをしているが、もちろん球団の努力もあるが、それを支えているアマチュア野球の存在を尊重しなければ、そのアマチュア野球が衰退していけば、NPBも衰退していく事になる。

(Professional baseball view 編集部)

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