今度は大学生、社会人の季節
センバツ高校野球が盛り上がりの中で幕を閉じた。そしていよいよ週末に、一部の大学リーグ戦がスタートする。社会人野球も静岡大会、四国大会、岡山大会と続いていく。
新戦力に注目
まず、社会人の大会で注目したいのは新戦力の活躍。特に今年はプロ野球においてルーキーの活躍が目立っており、今年社会人1年目の選手たちはレベルが高い可能性があるし、プロで活躍する同期に刺激を受けていると思う。すでに日本通運の北川利生選手やJX-ENEOSの谷田成吾選手などが東京大会で活躍したが、投手も含めて社会人に旋風を巻き起こすかもしれない。
また、今年のドラフト候補にも注目が集まる。東京ガスの山岡泰輔投手や大阪ガスの酒居知史投手、新日鐵住金かずさマジックの玉井大翔投手などは、高校や大学時代からプロのスカウトが注目しており、社会人1年目から十分の活躍を見せている。今年のドラフトでの指名は間違いないと言われている選手で、その順位を上げるような活躍ができるか。
世代リーダーに
大学生においても、昨年の高校生はレベルが高かったように思える。その中でオコエ瑠偉選手や平沢大河選手、高橋純平投手や小笠原慎之介選手はプロ入りしたものの、U18W杯や甲子園で活躍した選手が各大学に進んでいる。
特に、千葉県大学リーグの国際武道大には、侍ジャパンU18代表で3番を打った勝俣翔貴選手や、東海大相模の主軸だった豊田寛選手が加入する。順調に成長すれば、大学屈指のクリンナップとなる可能性がある。
また東都大学リーグでは、2部の駒澤大学に中京大中京の上野翔太郎投手や近江の小川良憲投手が、東農大に日本文理の星兼太選手が、青山学院大にも智弁和歌山の主砲・山本龍河選手が入る。2部でも全く油断できないリーグだ。
その中で、やはり最も注目されるのは創価大の4年生・田中正義投手となる。すでに大谷翔平投手や藤浪晋太郎投手といった世代を代表する投手のレベルにあるという声もある。そしてリーグ戦でのライバルとなるのが、流通経済大の生田目翼投手。こちらは田中投手にように上背があるわけではないが、150キロを超す速球と動く球を駆使しレベルの高いピッチングを見せる。
全国で田中投手のライバルとなりそうなのが、東京六大学の慶応大・加藤拓也投手と明治大・柳裕也投手というところか。150キロ前後のストレートで押すピッチングをする加藤投手と、140キロ後半の速球に抜群のスライダーで三振を奪う柳投手、どちらも全国トップクラスなのは間違いない。
また、昨年のように富士大の多和田真三郎投手や仙台大の熊原健人投手のように、地方にも逸材が目白押しで、春の戦いで誰が飛びぬけてくるかにも注目だ。
(記事:Professional-view Baseball 編集部)
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