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不安の多い侍ジャパン、2017WBCで勝ち抜くために

公開日: : 侍ジャパン

WBCの開催を翌年に控え、台湾との強化試合に臨む侍ジャパンのトップチームが招集された。しかしチームの陣容を見ると、不安も見え隠れする。

WBCの難しさ

日本は昨年のプレミア12で、なんとか接戦をものにしながら決勝トーナメントに出場し、準決勝で韓国に敗れ何とか3位に入った。しかしプレミア12にはメジャーリーガーの参加が少なかったにもかかわらず、日本はプエルトリコ、メキシコ、ドミニカ、ベネズエラなどと苦戦を演じていた。

2013年のWBCは侍ジャパンは田中将大投手、前田健太投手を擁しながら、初戦のブラジル戦で田中投手が先制を許すなど苦戦し、キューバ戦では3-6で敗れている。第2ラウンド初戦の台湾戦で延長10回に井端選手の勝ち越し打で勝利を治め勢いづいたものの、準決勝のプエルトリコ戦で前田健太投手の好投もむなしく1-3で敗れている。メジャーリーガーも出場していたが、侍ジャパンはMLBで活躍する選手は、チーム事情などもあり招集することができず、日本のプロ野球選手のみで戦った。

WBCで戦う難しさは、

・ボールや気候が変わる事

・球数制限などがある事

・力押しでは勝てない相手であること

の3点が挙げられる。

1つめと2つ目については良く挙げられる事で対策が必要だが、3つ目については良く考えなければならない。プレミア12で韓国を完ぺきに抑えた大谷翔平投手は、世界でもトップクラスの投手で間違いはないのだが、相手もMLBの選手がそろう中で、大谷翔平投手に頼ればいいう事はないだろう。

優勝した2009年のWBCでも決勝の韓国戦でダルビッシュ投手がリリーフで登板したが、同点に追いつかれるなどし、田中将大選手はほとんど投げる事は無かった。当時から力のある投手だったが、まだ実戦経験などが少なく、エース各として活躍した岩隈投手や松坂投手のようにスムーズに投げることができなかった。

来年の大会でも経験がものをいう試合が必ずあると考えられる。

今回の侍ジャパン代表を見ると、リリーフのサイドスロー・秋吉亮投手が加わり、抑えのエース・西野勇士投手なども加わっている。楽天の則本投手や松井投手が調整の遅れで出場辞退をしたこともあるが、プレミア12で失敗したリリーフ陣の立て直しという意味合いは大きい。これは、コーチ陣に権藤博コーチ、斎藤隆コーチを加えた事からも、リリーフ投手に相当気を使っていることがわかる。

しかし、WBCでは本当に課題となるのは、キューバやアメリカ、ベネズエラやプエルトリコ、カナダといったチームを相手に、相手を見下ろして投げられるような実績のある投手がいるかという事になるだろう。2009年大会で準決勝のアメリカ戦などで先発し、3勝0敗の成績を残した松坂大輔投手のような先発がいるかどうかとなる。

 

WBCを勝ち抜くために

投手では大谷翔平投手を軸とするのは間違いないと思う。また次に続くのが阪神の藤浪晋太郎投手なのかもしれない。しかし力はあるものの経験はまだ少ない。やはり来年のWBCを勝ち抜くためには、ダルビッシュ有投手、田中将大投手、岩隈久志投手、前田健太投手といったメジャーリーガーの力が必要だろう。または広島の黒田投手も良い結果を残してくれる選手ではないかと思う。

野手でも精神的にみんなに落ち着きを与える選手が必要だろう。予選で勝利が続いても、中田選手や坂本選手などが少しの勝利で調子に乗らないような、そして劣勢となった時に不安に取りつかれたメンバーを励ますことができるような、格の違う選手がいたほうが良い。監督として実績の少ない小久保監督にはやや荷が重い。

そうなると、コーチ陣で監督経験者を呼ぶことも必要だろう。ちなみに2013年大会は東尾氏、梨田氏がコーチとして山本監督を助けている。

また選手でもやはり青木選手もそうだが、イチロー選手がいるのといないとではベンチの雰囲気が違うのではないかと思う。イチロー選手が出てきたときの味方の盛り上がり方はものすごい事になるし、活躍を見せつけられているメジャーリーガーや、2009年大会でやられている韓国代表にとっては、これほど嫌な打者はいないだろう。

ベンチにイチロー選手や岩隈投手がいる事で、中田翔選手や大谷翔平投手も、さらに力を見せることができるようになると思う。

選手を力だけで選ぶのではなく、経験や実績、そして格も踏まえて選んでほしいと思う。

(記事:Professional-view Baseball 編集部)

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