ドラフトの注目遊撃手、中京学院大・吉川尚輝選手を元スカウトが分析する
公開日:
:
スカウト活動
今年のドラフト会議で、注目されている大学生がいる。中京学院大の吉川尚輝選手は、プロのスカウトがドラフト上位候補に挙げる遊撃手だ。吉川選手を、元西武ライオンズスカウトの日野茂氏に映像をみて分析してもらった。
守備が抜群
吉川尚輝選手は176cm75kg、右投げ左打ちの遊撃手で、中京高校から中京学院大に進んだ。1年生の空きからレギュラーとして活躍し、2季連続で打率4割を超え、3年秋までにリーグ通算89安打を記録している。ホームランは0本だが3ベースは10本を記録しており、2年春と秋には最多盗塁も記録した。長打を放つスラッガーではなく、足もある選手という印象を受ける。
また特に注目されているのは守備で、プロ1軍レベルとの声も聞く。その吉川選手については以下の映像がYoutubeにあり、今回はこの映像を元に元西武ライオンズのスカウトだった日野茂氏に見てもらった。
吉川 尚輝 内野手(遊撃) 中京学院大 フィールディング集 2015秋季リーグ - ma dra氏
日野氏はまず、下半身がうまく使えていると話し、「全体的に打球への入り方がよくフットワークが使えている」と評価した。動画の1:30からのプレーはバットの当たった所からの動きがみられるが、反応も悪くなく、グラブさばきも良いとのこと。
ただし1:10からのプレーはファンブルをしている。これについては「早く投げたい気持ちが強く、捕った後のグラブの収め方に課題がある」と指摘もした。ただしこの点については、「言われればすぐに直る、そういう選手のように見える」と話した。
内野守備については非常に辛口な日野氏だが、今回は「非常にいい」との評価だった。
遊撃手はきちっと守れる選手が多くなく、プロの球団も安心してショートを任せられる選手を常に探していると言って良い。吉川選手は元プロのスカウトも認める貴重な遊撃手候補という事になる。
(記事:Professional-view Baseball 編集部 柄井)
関連記事
-
-
なぜこの選手を獲得できなかったのか?嘉陽宗一郎投手
昨日、東都大学リーグの亜細亜大と駒沢大の対戦が行われ、亜細亜大学が勝利した。勝利投手になったのは、今
-
-
野球選手、野手の評価が難しい理由
以前、選抜高校野球大会に出場する田島大樹選手を元スカウトの日野氏に評価をしてもらいましたが、Yout
-
-
スカウトの夏!緊張の夏
高校野球の各地の大会が本格的に始まっています。高校野球の夏の大会、スカウトにとっては、大きな賭けを
-
-
スカウト会議で話し合われる内容は?
スカウトは今、大学生の甲子園とも呼ばれる大学野球選手権大会のために、そして高校野球の夏の予選を前に
-
-
本命なきドラフト会議とスカウトの苦心
昨年のドラフト会議は高校生ならば松井裕樹投手、大学生ならば大瀬良大地投手、社会人ならば吉田一将投手
-
-
野手のドラフト候補がスカウトに注目されるには
センバツに出場する野手の候補を紹介してきたが、元西武のスカウト・日野茂氏に、「野手はどんな風にすれ
-
-
2015年ドラフトを元西武スカウト・日野茂氏に聞く
2015年のドラフト会議から1ヶ月が経ち、球団では入団発表が行われている。今年のドラフト会議の指名の
-
-
プロの目から見たアマチュア選手のプレーと指導
第1回プロ野球スカウト講座が7月4日に行われた。元西武スカウトであり、横浜ベイスターズの2軍監督や
-
-
大阪商業大・岡田明丈投手を、元プロスカウトが評価する
大阪商業大の岡田明丈投手がこの春に150キロを記録し、連日のようにプロ野球のスカウトが姿を見せてい
-
-
早稲田大・吉永健太朗投手を、元スカウトが評価する
早稲田大の吉永健太朗投手、日大三高校で、畔上翔選手、横尾俊建選手、高山俊選手などと共に夏の甲子園を
- PREV
- 上から行くか下から行くか、12球団ルーキー事情
- NEXT
- 今年のドラフトは豊作か?