難航しそうな今年のセンバツ高校野球出場校の選考
公開日:
:
高校野球
センバツ出場校の発表が明日、1月29日に迫った。例年、選考が難航する地区があるが、今年は特に難航しそうだ。
地域性の問題、東北枠と北信越枠
東北地区と北信越地区は、それぞれ2校の出場枠がある。例年であれば昨年の東北大会、北信越大会の優勝チームと準優勝チームの2強でやすやすと決まるのだが、事は様相が違う。
東北大会では共に青森の青森山田が優勝、八戸学院光星が準優勝をし、北信越大会では福井の敦賀気比が優勝、福井工大福井が準優勝と、同じ県から2強が出ている。優勝した青森山田と敦賀気比の選出は間違いないだろうが、八戸学院光星と福井工大福井には「地域性」という壁が立ちはだかる。
地域性とはセンバツ出場校の選考の理由の一つとして理由に入ってくるもので、基本的には同じ都道府県が枠を独占するよりは、より多くの都道府県の代表を、というものだ。それは非常にあいまいで、近年は秋季大会の結果を尊重し同一都道府県でも選出されることが多いが、関東や近畿などでは最後の枠を巡って地域性が優先される事もある。
東北の選考を考えてみると、地域性を考えると、東北大会で優勝した青森山田に1-5で敗れた盛岡大付属の可能性が出てくる。しかし八戸学院光星は、青森大会では1位で出場(青森山田は青森大会では3位だった)しており、青森独占となっても実力を見て八戸学院光星の選出となるか。
北陸の選考については、北陸大会決勝で福井工大福井は1-6で敦賀気比に敗れているが、福井大会決勝では0-8で敦賀気比に敗れている。準決勝では長野の佐久長聖が優勝した敦賀気比に3-7で敗退している。この点をどのように評価するかとなるだろう。
毎年選考が難しくなる関東・東京と近畿
関東・東京と近畿はそれぞれ6校の出場枠がある。6となると秋季地方大会のベスト4と、ベスト8となった4チームの中から2校を選ぶことになり、毎年選考が難しくなり、特に関東・東京は別の大会で行われるため、ややこしくなる。
関東・東京を見ると、関東のベスト4と東京の優勝チームはほぼ確定となる。しかし最後の1校は東京の準優勝チームとはいかず、関東のベスト8の中から選出される事がある。これも東京から2つよりは他の都道府県という地域性と考えられる。
決勝の戦い方などで判断されるのだが、今年はそれも難しい。東京大会では二松学舎大付が優勝した関東第一に3-4で敗れ接戦を演じた。また関東大会では埼玉県の花咲徳栄が、準々決勝で優勝した木更津総合に1-2と接戦で敗れている。共に注目の左腕投手がおり、センバツに出場すれば期待感が増す。地域性で考えると関東のベスト4に埼玉県のチームはいない。この状況で選出されるのは二松学舎大付か花咲徳栄か、非常に難しい。
近畿は今年は比較的スムーズに決まりそうだ。ベスト4は順調に大阪桐蔭(大阪)、滋賀学園(滋賀)、龍谷大平安(京都)、明石商(兵庫)が選出されそうで、残りの2校は優勝した大阪桐蔭と準優勝の滋賀学園に敗れたベスト4チームが有力となる。智弁学園(奈良)と報徳学園(兵庫)は準々決勝でもそれほど点差を離されずに敗れているため、兵庫は2校になるが問題なく決まりそうだ。
明治神宮枠が絡み合う四国・中国枠
四国中国枠は合わせて5校が選出され、それぞれの地方大会の2強と、のこり1校をどちらかのベスト4のチームから選ぶ事になり、ここも例年難航している。しかし今年は昨年の明治神宮大会で四国代表の高松商が優勝し、出場が1校加算されて6校となった。それならば、中国から3校、四国から3校となるが、四国のチームが優勝したのだから四国から4校でも良いのではないかという意見もある。
それぞれの2強、高松商(香川)、明徳義塾(高知)、創志学園(岡山)、南陽工(山口)と、高松商に5-6と接戦で敗れた済美(愛媛)は問題なく決まりそう。残り1校を中国大会で創志学園に0-5で敗れた開星(島根)か、四国大会で明徳義塾に3-4と接戦で敗れた土佐(高知)かという事になる。地域性などを考えると開星が優性だと思うが、四国がもらった1枠という事を考えると高知から2校になるが土佐の可能性もある。
その他の枠
北海道は1枠で優勝した札幌第一が、東海は2枠で優勝した東邦高校(愛知)といなべ総合(三重)が、九州は4枠でベスト4の秀岳館(熊本)、海星(長崎)、日南学園(宮崎)、鹿児島実(鹿児島)が確実だとみられる。
21世紀枠は正直どこが選出されるかはわからないので、今回は予想しないが、札幌清田(北海道)、釜石(岩手)、上尾(埼玉)、長野(長野)、宇治山田(三重)、長田(兵庫)、出雲(島根)、小豆島(香川)、八重山(沖縄)の中から3校が選ばれる。
注目のセンバツ出場校の決定は明日29日、どのようなチームが出場するのか注目したい。
(記事:Professional-view Baseball 柄井)
関連記事
-
-
夏の高校野球、2011年からの選手宣誓の内容と宣誓をした主将たち
いよいよ夏の高校野球、甲子園大会が開幕しました。今年は作新学院主将・中村幸一郎選手による選手宣誓が
-
-
高校野球の名将の引退
昨日、高校野球の佐賀大会では佐賀北高校が佐賀工業を下して甲子園出場を決めた。佐賀北の百崎監督は20
-
-
高校野球、2014年の夏の甲子園入場者数は歴代5位で斎藤佑樹・田中将大の年を上回る
2014年夏の高校野球大会は大阪桐蔭が優勝した。今年の夏の甲子園の入場者数は約85万3千人で、これ
-
-
高校野球の監督、コーチとなった元プロ野球選手
アマチュア野球指導資格の回復制度などにより、高校野球、大学野球の指導者になる元プロ野球選手が増えてき
-
-
高校野球の応援曲のルーツ~第4回:流行曲~
高校野球応援特集、第4回、今回は流行曲です。 第1回は東京六大学がルーツのもの、第2回は甲子園
-
-
野球と自分の実力の評価
野球選手は時には道の選択が必要になる時がある。熱戦が繰り広げられている高校野球でも、3年生は夏の大
-
-
高校野球の応援曲のルーツ~第1回:東京六大学~
高校野球のスタンドでの応援は、高校野球の花の一つである。この応援によってチームに勢いがつく。また野
-
-
高校野球の2014年の日程終了!今年の高校野球シーンを振り返る
高校野球は明治神宮大会が終わり、2014年のすべての日程が終了した。あとは年末を越し、1月末に選抜
-
-
高校野球選手の発言と時代
高校野球の熱戦が続き、また多くの高校が敗れている。注目された高校野球選手は新聞記者のインタビューを
-
-
センバツ注目投手だった佐野日大・田嶋大樹投手を改めてチェック
2014年の第86回選抜高校野球大会は龍谷大平安高校の優勝で幕を閉じました。好投手がたくさんいました
- PREV
- プロ野球選手とセカンドキャリア
- NEXT
- 意外性を見せたセンバツ出場校の選考