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プロ野球選手とセカンドキャリア

公開日: : プロ野球

日本プロ野球機構(NPB)は、現役プロ野球選手による「セカンドキャリアに関するアンケート」の結果を公表した。昨年10月に宮崎で行われた「みやざきフェニックス・リーグ2015」に参加した現役の選手にアンケートをしており、回答者の平均年齢は23.7歳と若い選手が対象となっている。

引退後の進路希望

・引退後の進路希望(「やってみたい」と「興味がある」の合計%)を表にまとめ、昨年のアンケート結果と比較してみる。

順位 進路希望 回答(%) 昨年順位(%)
1 高校野球指導者 72% 1位(75%)
2 大学社会人の指導者 64%  2位(64%) 
3 一般企業の会社員 63%  7位(48%)
4 スカウト・スコアラー等 59%  4位(56%) 
5 プロ野球監督・コーチ 58%  3位(60%) 
5 アカデミー・子供の指導者 58%  5位(55%) 
5 球団打撃投手、用具係等裏方 58% 6位(49%)
7 社会人チームで現役続行 49%  8位(45%)
8 飲食店開業 44%  8位(45%)
9 海外で現役続行 33% 10位(34%)

 

大きく回答が増えたのは、一般企業の会社員(48%→63%)と、球団打撃投手・用具係等裏方(49%→58%)、逆に減少したのは高校野球指導者(75%→72%)と野球解説者(33%→29%)という所だろう。

 

一般企業への就職

一般企業の会社員という回答が増えたのは、元巨人の松谷竜二郎選手が引退後に現在・スチールエンジ株式会社の代表取締役になっていたり、元大洋の市川和正選手はソニー生命に入社すると、営業成績で日本一になった事もある。また同じくソニー生命で営業をした元大洋の大門和彦投手は、独立してIDC-アイディーコンサルティング株式会社を立ち上げているほか、元広島の紀藤真琴投手はパーソナル電電株式会社の執行役員となっている。

元東北楽天の一場靖弘投手がプロ野球を引退後に紀藤氏に呼ばれ、同会社で仕事をしており、企業にもプロ野球選手の人脈が広がってきている。これから少子高齢化により若い人材が減っていく中で、必要性は高まっていくとみられる。

 

高校野球指導者

最も回答が多いのはやっぱり高校野球指導者、現在野球部がある高校は徐々に減っているものの4021校と多く、プロ野球のほぼ全選手が高校野球を経験している事、また比較的若い監督が指導をしているなどが挙げられる。アマ選手指導資格回復の制度もでき、教員資格が無くても高校の監督に就任している選手もいる。

当サイトの調査で、高校野球の指導者になっている元プロ野球選手は高校野球の監督、コーチとなった元プロ野球選手に一覧でまとめているが、35人が高校で監督やコーチとして選手に指導をしている(このほかにもいるかもしれません)。

指導資格回復後に「学生野球指導者登録届」を提出、その際に指導を希望する都道府県なども記載する。そうすると希望の各都道府県の高校野球連盟に「学生野球指導回復者の一覧」として掲載され、各高校から要望があれば指導にいくという形となっている。

多くは母校のコーチとなり、いずれ監督にという流れが多いものの、野球部を強くして学校の知名度を上げたいという高校などからも要望をうける事もあるだろう。

大学社会人の指導者については、多くはかなり経験を積んだ方が監督になっていることが多い。今回は若手選手へのアンケートのため、自分とそう違わない選手への指導や、高校からプロ入りしている選手は、なかなか希望しにくいだろう。

 

もっと流動的に

埼玉県の野球塾・ゼロベースボールアカデミーでは、元横浜ベイスターズヘッドコーチの日野茂氏、元西武の清水宏悦氏、元大洋の駒崎幸一氏、元西武の上田浩明氏が少年野球選手に野球を教えているが、他の野球塾にも指導に行ったり、週末には野球教室の参加したりと、あちこちに移動して指導をしている。

また全国各地で元プロ野球選手が指導をする野球塾が開設されており、少年野球選手に指導をしている。そのネットワークも広がりつつある。

高校野球でも、入部した選手の特徴によって、例えば同じ左腕投手だった元プロ野球の指導を定期的に受けたりと、もっと流動的に元プロ野球選手が指導できる流れができれば良いと考える。

やはりプロ野球選手というのは、野球に関する考え方は確かなものを持っており、それを共有している。少年野球、高校野球、大学社会人と積み重ね、プロ野球選手となった事の価値は計り知れず、できればその価値を次に伝えられるような形が広がればよい。

(記事:Professional-view Baseball 柄井)

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