*

新監督は活躍できるか

公開日: : プロ野球

来年は巨人の高橋由伸監督、阪神の金本知憲監督、横浜DeNAのラミレス監督が指揮を執る。共に監督就任は初めての若い監督、これについてオリックスで監督をしていた石毛宏典氏にお話を聞いた。

監督としての資質は?

まずは3人の新監督についてざっくばらんに聞くと、石毛氏は巨人・高橋監督と阪神・金本監督は1年目から結果を残す可能性があると話した。

巨人・高橋監督

高橋由伸監督については、「選手時代にすべて良い最も素晴らしい選手だった」と石毛氏は話す、そして「監督となりそれを選手に伝える事ができるか」がポイントになるという。高橋選手は慶応大時代から天才バッターとして活躍してきた。天才と呼ばれる選手は感覚が素晴らしいため、それを他選手に伝えても理解することが難しいという事もある。しかし石毛氏は「井端コーチ」の存在が大きいと話す。

井端コーチは高橋由伸選手と同学年で1997年に亜細亜大からドラフト5位で中日に入団している。東京六大学の慶応大のスターでドラフト1位で入団した高橋投手とは大きく異なった境遇でプロ入りし、一流選手となった。「亜細亜大の厳しい練習と、プロ入り後に苦労して一流になった選手で、選手に言葉で伝えられるコーチになる。」と石毛氏は評価しており、「同学年で意思疎通もしやすい」と高橋監督とタッグを組むのに最適の選手だという。

そして高橋監督の手腕について、「村田修一をどう使いこなすか」と話した。若い岡本和真選手の名前も上がるが、本塁打王も獲得したことのあるベテランをベンチで腐らすこと無く使うマネジメント力があれば、チームが一体となっていける。

阪神・金本監督

逆に阪神の金本監督は、「監督としての作戦などのセンスはないが、努力で成長しているので引き出しが多い」と話し、選手を育てることができる監督と評価した。そう評価したのは「ドラフトで高山俊選手(ドラフト1位)に対し、打撃については高い打撃理論を持つ掛布氏に預けて育てる方針を示したこと」と話した。ドラフト指名後のインタビューでは「練習は厳しいですよ」と話し、監督が先頭に立ってハードトレーニングをしてくるとみられる。

自ら率いていく監督として、結果を残すだろうと石毛氏は予想する。

横浜DeNA・ラミレス監督

最後にラミレス監督について、情報は少ないものの日本でも外国でもプレーしてきた経験があり、選手に対してのコミュニケーションをとる事でチームを掌握しようと心がけているように見える。明るいキャラクターで中畑前監督の路線を継承し、チームの情報をファンに伝え人気を高めていく力は石毛氏も認める。

ただし、監督として優勝を争っていくというときに、「コーチの存在が見えてこない」と話す。高橋監督の井端コーチがいるように、ラミレス監督にも参謀といえるコーチが必要だが、進藤ヘッドコーチなど若いコーチ陣でこれぞというコーチが見えてこないという。

またラミレス氏は日本とアメリカの野球に精通しており、「『日本野球はこのスタイル』とバントばかりして、打線がチグハグになる可能性もある」と指摘した。

 

新監督の大変さ

2002年にオリックスの監督に就任し、3年契約のところを途中で解任された石毛氏は、新人監督の苦労を良く知っている。前監督の方針と大きく異なっていることもあるという。

名将・仰木彬氏が率いていたオリックスを引き継いだ石毛氏は、最初に選手全員を集めてミーティングを開こうとすると、球団職員から「全員が集まれる場所がありません」と聞き驚いたという。仰木氏はミーティングをせずに選手個人に個別に話しかけながらチーム作りをしていたとのことだった。そこで石毛氏は監督室を解放していいから球場にミーティングの場所を作ってほしいと球団の要望するところからのスタートだった。

新監督には来年の開幕まで様々なハードルが待ち受けている。それを一つ一つ乗り越え、チームを掌握した状態で開幕を迎えることで、初めて他の球団と同じスタートラインに立つことができる。

(記事:Professional-view Baseball 編集部・柄井)

関連記事

プロ野球の今昔

 元横浜大洋ホエールズの清水宏悦氏、元西武ライオンズの守備の名手・上田浩明氏、そして元中日ドラゴンズ

記事を読む

プロ野球選手とセカンドキャリア

日本プロ野球機構(NPB)は、現役プロ野球選手による「セカンドキャリアに関するアンケート」の結果を公

記事を読む

新人が開幕スタメンを奪うには?

 プロ野球が開幕した。毎年、オープン戦では新たに入団した選手が注目され、チームの戦力アップを想像する

記事を読む

9人指名して6人が1軍昇格、東北楽天の2013年ドラフト

 東北楽天のドラフト4位ルーキー、古川侑利投手が1軍に昇格した。これで昨年、東北楽天が指名した9選手

記事を読む

合理的な補強とその危うさ、東北楽天のチーム作り

 東北楽天は2004年オフからプロ野球に参入し、当時の近鉄やオリックスから分割ドラフトで選手が加わっ

記事を読む

気が早いけど、来年の新人王を予想してみる

プロ野球の今年度の新人王争いは、セリーグは新人最多セーブ記録を更新したDeNAの山崎康晃投手が最有力

記事を読む

石毛宏典氏、日本シリーズで一番強かったのは1985年の阪神

 石毛宏典氏は、西武ライオンズの黄金期を戦い、11度の日本シリーズを経験し、8度の日本一に輝いている

記事を読む

監督の色とチームバランス

 ペナントレースが始まり、3カードの対戦が終わった。両リーグとも抜け出すようなチームが無い中で、セリ

記事を読む

野球の魅力 ~人vs人の世界~

 野球の魅力の一つに、チーム競技でありながら個人競技の魅力を持つ点があります。そしてそれは、「誰にも

記事を読む

石毛宏典氏、日野茂氏が見る今年のドラフト候補

ドラフト会議が今月22日に迫ってきた。今年のドラフト候補について、元オリックス監督の石毛宏典氏、元西

記事を読む



  • 解説者:日野茂氏(元横浜ベイスターズヘッドコーチ)


    解説者:石毛宏典氏(元西武ライオンズチームリーダー、オリックスブルーウェーブ監督、四国アイランドリーグ創立者)

    石毛宏典オフィシャルブログ「石毛漢動」
    石毛宏典オフィシャルブログ「石毛漢動」


    取材協力:元プロ野球選手が教える野球塾
    「ZEROベースボールアカデミー」
浅村選手、炭谷捕手などFA移籍でどうなるライオンズ、石毛宏典氏が語る

今年、パリーグを10年ぶりに制覇した埼玉西武、浅村選手、山川選手、秋山

日野氏は金足農・吉田投手、石毛氏は浦和学院・渡邉投手を評価

プロ野球ドラフト会議が近づいてきた。今年も多くの選手が注目される中で、

石毛宏典が西武の戦いに「普段通りやるしかない」

10年ぶりにパリーグ優勝を飾った西武ライオンズ、かつての黄金時代のキャ

石毛宏典氏と日野茂氏が根尾選手と小園選手を評価

夏の甲子園が終わり、U18アジア大会を戦う選手たち。その中で、西武ライ

盗塁:バッテリーとランナーの3.3秒の攻防

盗塁は、日本の野球に置いて、チャンスを広げ、得点を挙げるために重視され

→もっと見る

PAGE TOP ↑