*

前田健太投手はメジャーで活躍できるか

公開日: : プロ野球

ポスティングでメジャーリーグ入りを目指す広島の前田健太投手、アメリカでもいくつかの球団が獲得を目指していると報道がされている。果たしてその前田投手が活躍できるか、石毛宏典氏、日野茂氏に聞いた。

今のままでは通用しない

単刀直入に前田健太投手がメジャーリーグで活躍できるかを聞くと、驚くことにお二人から「今のままでは通用しない」という答えが返ってきた。

その理由としてロサンゼルス・ドジャースでコーチ留学をしていた石毛氏は、「マエケンのストレートは回転の良い球で伸びる球。球速も140キロ後半を投げられる。しかしアメリカのボールの質は悪く、回転の良い球を投げると強く握る事になり、そのためにヒジに負担がかかってしまう。」と、まずは前田投手の球質について話した。

メジャーリーグで使用されているボールはコスタリカで生産され、一球一球が形も違い、縫い目の山の高さもまちまちだという。「メジャーリーグの投手はそのボールに隠れて傷を付けたり、つばや汗をこすりつけ、指にかかりやすくしたり動くボールにしたり様々な事をしている」と石毛氏は話し、そのボールですべて良い回転で投げるのは非常に困難だという。

また投球内容についても、「マエケンが得意なのは外角の出し入れで、外角一辺倒でも日本では勝負できた。しかしMLBでは外は広いのでバッターも外を狙ってくる。インコースに投げ切れるかどうか」と、外の出し入れだけでなくインコースに投げられるかどうかというのは日野氏、前田投手の武器であるスライダーについても「あれだけ多彩な変化球があったダルビッシュ有投手でも、1年目は16勝9敗、2年目も13勝9敗、3年目は10勝7敗。岩隈投手はフォークボールが武器となった。体格も二人より小さくメジャーでは小さい投手になり、体力的にも心配」と話した。

前田健太投手は182cm81kg、MLBでは小柄な投手となる。

 

変わっていけるか

松坂大輔投手も日本では剛腕投手として活躍をしていたが、メジャーでは徐々に多彩な変化球を駆使する投手となった。また、ヒジや肩などの故障にも苦しんだ。

石毛氏も日野氏も厳しい指摘をしつつも、「どう変わっていけるか」に注目しているという。PL学園から広島カープに入り、今のきれいな回転のボールと外角の出し入れのピッチングを習得して日本を代表するエースとなった。メジャーではボールの質や相手打者のパワー、ストライクゾーン、そしてハードな試合スケジュールが待ち構えており、また1からピッチングスタイルを作り上げていくような覚悟が必要となる。

日野氏は「向こうの野球にどんな風に合わせることができるか」、投球スタイルをうまく変化できたときには、成績を残せるようになるかもしれないと話した。メジャーでの2年目、3年目に前田投手がどんな投球を見せるのか注目したい。

(記事:Professional-view Baseball 編集部・柄井)

関連記事

読売ジャイアンツの2015年のチーム構成

 昨年、セリーグを制覇したものの、CSで敗れて日本シリーズに進出することができなかった、読売ジャイア

記事を読む

吉田正尚選手、高山俊選手、ドラフト1位候補を石毛宏典、日野茂が斬る

前回に引き続き、今年のドラフト会議で1位指名に名前の挙がる選手を、石毛宏典氏、日野茂氏に斬ってもらい

記事を読む

プロ野球のチーム構成を考える

 1月末、いよいよキャンプインをする。プロ野球球団は大体この時点でチーム編成を終え、監督や首脳陣は今

記事を読む

【ドラフト会議特集10】ドラフト会議、各球団の抽選の勝率は?

 今年のドラフト会議でも1位指名で1人の選手に複数の球団が指名する可能性が高いとみられています。そこ

記事を読む

上から行くか下から行くか、12球団ルーキー事情

ルーキーにしてみれば、プロ野球選手としてスタートとなるキャンプを1軍で迎える事は、それだけ評価が高い

記事を読む

野球のトレンドは小柄でも飛ばせる選手、投げられる選手に?

 プロ野球は、だいたい180cm80kgくらいの選手がプレーしていて、近くで見ると大きく感じるという

記事を読む

プロ野球開幕の緊張を味わいたい

プロ野球選手にとって、野球は楽しいのだろうか?率直に石毛宏典氏、日野茂氏に聞いてみた。すると・・・。

記事を読む

なぜ新人投手がいきなり活躍できるのか?BIGデータとの関係

4月24日のプロ野球では、広島の大瀬良大地投手と阪神の岩崎優投手がそれぞれ2勝目を挙げた。セリーグで

記事を読む

野球のテレビ離れ

かつては巨人戦はすべての試合が地上波で全国中継されるなど、テレビとプロ野球中継は密接なものだった。し

記事を読む

【ドラフト会議特集3】ドラフト会議を待つ選手の心境、4度目のチャンスでプロ入りした清水透選手

 ドラフト会議を迎える選手たち、しかし実はプロに行きたいからと素直のプロ志望をすることができない状況

記事を読む



  • 解説者:日野茂氏(元横浜ベイスターズヘッドコーチ)


    解説者:石毛宏典氏(元西武ライオンズチームリーダー、オリックスブルーウェーブ監督、四国アイランドリーグ創立者)

    石毛宏典オフィシャルブログ「石毛漢動」
    石毛宏典オフィシャルブログ「石毛漢動」


    取材協力:元プロ野球選手が教える野球塾
    「ZEROベースボールアカデミー」
no image
桐生第一・蓼原慎仁投手が甲子園のマウンドに

ゼロベースボールアカデミーで、小学校3年から6年間、野球の練

浅村選手、炭谷捕手などFA移籍でどうなるライオンズ、石毛宏典氏が語る

今年、パリーグを10年ぶりに制覇した埼玉西武、浅村選手、山川選手、秋山

日野氏は金足農・吉田投手、石毛氏は浦和学院・渡邉投手を評価

プロ野球ドラフト会議が近づいてきた。今年も多くの選手が注目される中で、

石毛宏典が西武の戦いに「普段通りやるしかない」

10年ぶりにパリーグ優勝を飾った西武ライオンズ、かつての黄金時代のキャ

石毛宏典氏と日野茂氏が根尾選手と小園選手を評価

夏の甲子園が終わり、U18アジア大会を戦う選手たち。その中で、西武ライ

→もっと見る

PAGE TOP ↑