ドラフト注目選手を、石毛宏典氏、日野茂氏が斬る 第1回「オコエ瑠偉選手・関東第一」
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プロ野球
プロ野球ドラフト会議が10月22日に迫ってきた。様々なメディアで注目選手が取り上げられているが、元西武ライオンズの主将でオリックスの監督も務めた石毛宏典氏、元西武ライオンズスカウトで横浜DeNAの2軍監督やヘッドコーチを務めた日野茂氏に、注目されている選手を厳しく見てもらった。まずは第1回として、オコエ瑠偉選手を取り上げる。
注目選手をプロの厳しい目で見る
まず最初にお断りしておきたいのは、今回紹介する選手はドラフト注目選手という事で、多くのメディアで取り上げられ、素晴らしい所についての紹介はたくさんされている選手たちです。ただし、今回は厳しく見るという事で、良い点があることを踏まえたうえで、課題を多く指摘してもらいました。
オコエ瑠偉選手(関東第一高校)
甲子園やU18ワールドカップで、走攻守に抜群の活躍を見せてくれた関東第一のオコエ瑠偉選手、注目された選手という事で、ドラフト1位候補として紹介される事もある。しかし打撃については以前より課題として指摘をされている。
石毛:「やっぱり棒(バット)ですね」
日野:「打撃では、バットを始動させてからそのまま打つのでなく、一度緩む。あれを直すのはなかなか難しい」
一度緩むとどんな打撃になるのか?
石毛:「ポイントがバラバラになる。それでは確実性が上がらない」
日野:「甲子園でも9回にホームランを打っているが、たまたまインコースの厳しいところにきたのに反応して体の回転で打てた感じ。外角の球に対応できるかどうか」
石毛:「左打ちにするという手もある。元阪神の赤星選手のように、どんな当たりでも出塁するようなタイプになれれば」
打撃については直すのに時間がかかるかもしれないという見方から、足を活かして左打ちにすることでプロ野球で活躍する可能性を高めるという選択肢を提案していました。また、
石毛:「ただし目が良いのだろう。走塁の判断や守備での球際の強さが際立っている」
日野:「ミスもすれば驚くようなプレーを見せてくれそうな選手。ただし日本のプロ野球の場合、ミスをした時に叱られる事があり、それによって特徴の思い切りの良さが失われてしまうかもしれない。メジャーに行ってもいい選手」と付け加えた。
そしてドラフトでの指名について、
日野:「ドラフト1位指名はないかもしれない。高校生で外野手というのは優先順位は高くない」
と話した。
高い素質を評価されるオコエ瑠偉選手、プロ野球ではその特徴を生かすため、また課題を克服するため本人もそしてコーチなど周りの人も、時間をかけてプレースタイルを探していく必要がある。それが成功したとき、スター選手として駆け回る姿が見られるだろう。
(記事:Professional-view Baseball 編集部・柄井)
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