ソフトバンク・島袋洋奨投手、もっと自信をもっていい
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プロ野球
ソフトバンクのドラフト5位ルーキー・島袋洋奨投手が9月25日の千葉ロッテ戦で8回に登板し、1回をノーヒット1四球無失点に抑えた。
1回無失点デビュー
島袋洋奨投手が1軍のマウンドに立った。最速は144キロを記録、先頭打者の福浦選手に四球を与えデスパイネ選手にもカウント3-2にするなど、大学時代に苦しんでいた姿が一瞬頭の中をよぎったものの、デスパイネ選手を高めの速球で空振りを奪うと、その後はいい当たりをされながらも外野ライナー2つを野手が好捕し1回無失点に抑えた。
何はともあれ1回無失点デビューとなった。
興南高校で春夏連覇し、大学3年春までチームの故障と戦いながらも中央大のエースとして活躍をした島袋投手だったが、3年秋から調子を崩すと4年生春にはストライクが入らずバックネットへの大暴投などもあった。島袋投手はプロで活躍をするために、春夏連覇の実績を持ちながらも大学進学を決意した。しかし、秋も序盤はストライクを取るのに苦労する投球でプロ入りは無理かなという思いもあっただろう。しかし、2014年10月16日の青山学院大との試合、大学生最後の登板となるこの試合で島袋投手は6回を投げて8安打を許し4失点するも勝利投手となった。約1年ぶりの白星を手にして大学生活を終えた。
ドラフト会議ではあきらめかけたドラフト5巡目、福岡ソフトバンクに指名され、控室で号泣したという。
プロ入り後も苦しんだ。3軍スタートとなった島袋投手は4月までに3軍の試合でも3試合を投げて合計2回2/3で14の四死球を与えた。やはり戻らないかという思いもあったが、5月にトルネードでタメを作る感覚をつかむと次第に四死球も減っていき、8月には2軍に昇格して147キロを記録するようになった。
もっと自信をもっていい
見ている側にも緊張感が伝わるような非常に緊張した状態だった。先頭の福浦選手には四球を与えるも、トルネードからゆっくりと足を下ろしてくるタイミングの取りづらいフォームで、福浦選手も何とかタイミングを合わせようとしたが最後まで合わなかった。また144キロの速球は当たっても飛ばないような球威だった。
しかし四球でランナーを許すと状況は変わってしまう。デスパイネ選手は高めの速球を振ってくれて三振となったが、続く打者には外野にライナー性の打球を浴びた。トルネードでタイミングを外す事はランナーを出してしまうと難しい。ランナーを出してからの投球が課題と、当サイトの解説者・日野茂氏も指摘をしていた。
または四球を出したことで思い切り腕が振れなくなってしまったのかもしれない。登板するときの姿、投球練習の姿、そして登板後の姿を見ると、人の良さが非常に伝わってくる半面、自信を失ったことにより周りに気を遣うような仕草もみられる。
興南高校時、中央大の1,2年時は怖いもの知らずだった。ランナーを出そうが速球と鋭い変化球で相手をねじ伏せた。堂々とマウンドに上り、堂々とベンチに戻っていた。島袋投手は少し太々しいくらいの態度を意識する方がちょうどいいのかもしれない。「もっと自信をもっていい」、そう思わせる直球とプロ1軍初登板だった。
(記事:Professional-view Baseball 編集部)
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