*

代表に集った選手たちは、何を得たのか?

公開日: : 高校野球

 8月の甲子園終了から約2週間、侍ジャパンU18代表が集まった。約17万人の高校野球部員の中から選ばれた20人だった。アメリカ、キューバ、韓国といった強豪と連日のように対戦する厳しい日程だが、20人にとっては夢のような時間だったと思う。

日本代表

 日本代表として日の丸を背負ってプレーした経験ももちろんだが、高校生世代の中でトップクラスの選手と一緒に練習をしたり、戦った事は非常に大きな経験となる。選出された選手はほとんどが野球強豪校出身で、高校のチームだってレベルは相当高いと思う。しかしこの代表は、そのレベルの高いチームの中から選ばれた選手が出てきて、それぞれのチームで教わった練習方法だったり打撃や投球の技術の情報交換をする。

 また、高校3年生の多い代表チームにおいて、高校野球の公式戦がすべて終わったこの時期は、おそらく進路の話しが多くされているだろう。以前、大学日本代表メンバーだった選手から話しを聞いたが、全選手ともかなり具体的に進路の話をするという。

 すでに決まっている進む先の大学や社会人チーム情報を、それぞれの高校の先輩の話しなどから収集したりする。そして20人のトップクラスの選手、当然プロ入りの話しもする。この代表でプロ志望をするとみられるのは、小笠原慎之介投手、高橋純平投手、、オコエ瑠偉選手、勝俣翔貴選手、堀内謙伍選手、佐藤世那投手、平沢大河選手、高橋樹也投手の8人という。堀内選手は静岡高校が甲子園で敗れた際に、プロに行く力をつけるため社会人行きを示唆していたが、この代表チームで情報を交換し、プロ志望の選手と一緒にプレーして自信をもったのかプロ志望をするという。

 逆に大分商業の森下暢仁投手は、元々148キロの速球を投げるなどプロからもトップクラスの投手と注目されていた。本人もプロ入りの考えもあったと思うが、ここへきて大学進学という選択肢が大きくなってきたようだ。甲子園に出場できず全国のレベルを経験できなかったことや、代表でその甲子園でプレーしていた選手でプロ志望をするとみられる小笠原投手や高橋投手などの投球をみて、もう少し力が必要と感じたのかもしれない。

 プロフェッショナルビュー・ベースボールでは、中日などでプレーした日野茂氏が、「常に自分のランクを見ていた」と話している。自分が誰よりも上で誰よりも下なのかを意識し、それを元に大学進学やプロ入りを決断し、プロでもどうしたら1軍でプレーできるのかを考えて守備という武器を身に着けている。自分を正確に評価することが野球を長く続ける事につながる。

 侍ジャパンU18代表の選手が、1年生の清宮幸太郎選手も含めて将来どのような道を進んでいくのか、注目してゆきたい。

(記事:Professional-view Baseball 編集部)

関連記事

東海大相模・吉田凌投手を元プロ野球のスカウトが評価する

 今年のドラフト候補の高校生の中で、プロが注目している左右の投手が東海大相模にいる。共に中学時代から

記事を読む

この季節の高校野球、チームの形ができる時

 4月、5月のこの季節は、大学では春季リーグ戦が開催され、また高校野球も選抜高校野球大会の熱気も冷め

記事を読む

高校野球は変わるのか?

 高校野球の熱戦が各地で繰り広げられている。その中で、いくつかのチーム名が連なる連合チームや、他の部

記事を読む

今年のドラフトの目玉は高校生左腕、履正社・寺島成輝投手を元プロスカウトが評価

 今年ドラフト会議では、創価大の田中正義投手が一身に注目を浴びている。10年に一人、20年に一人と評

記事を読む

プロ志望届例(栃木県高校野球連盟ホームページより取得)

高校生のスカウト活動は最終段階へ、プロ志望届からドラフト会議まで

 夏の高校野球大会が、甲子園で熱戦が繰り広げられています。1回戦と2回戦までの代表49校すべてが登場

記事を読む

あさって開幕、選抜高校野球大会の注目ポイント

 いよいよ明後日、日曜日に開幕を迎えた選抜高校野球大会、大会が始まると「いよいよ今年も野球シーズン到

記事を読む

野球キャンプイン

野球による進学の季節、高校の部活体験、大学のセレクション

 甲子園では夏の高校野球に向けて、出場校の選手が練習に取り組んでいる。そして、夏の大会で敗れ去った選

記事を読む

センバツで羽ばたくか、大阪桐蔭・高山優希投手を元プロスカウトが評価する

 今年のセンバツ高校野球大会には、去年の県岐阜商・高橋純平投手のような目玉の投手はいない。しかし、プ

記事を読む

高校球児が増加し初の17万人越え、その背景は?

 高校野球連盟は2014年5月末現在の部員数を発表し、昨年より3224人多い170,312人となった

記事を読む

怪物と怪物が出会ったら

 甲子園で2本、3本ホームランを放ったり、140キロ後半の速球で相手をねじ伏せる選手は、高校生の怪物

記事を読む



  • 解説者:日野茂氏(元横浜ベイスターズヘッドコーチ)


    解説者:石毛宏典氏(元西武ライオンズチームリーダー、オリックスブルーウェーブ監督、四国アイランドリーグ創立者)

    石毛宏典オフィシャルブログ「石毛漢動」
    石毛宏典オフィシャルブログ「石毛漢動」


    取材協力:元プロ野球選手が教える野球塾
    「ZEROベースボールアカデミー」
浅村選手、炭谷捕手などFA移籍でどうなるライオンズ、石毛宏典氏が語る

今年、パリーグを10年ぶりに制覇した埼玉西武、浅村選手、山川選手、秋山

日野氏は金足農・吉田投手、石毛氏は浦和学院・渡邉投手を評価

プロ野球ドラフト会議が近づいてきた。今年も多くの選手が注目される中で、

石毛宏典が西武の戦いに「普段通りやるしかない」

10年ぶりにパリーグ優勝を飾った西武ライオンズ、かつての黄金時代のキャ

石毛宏典氏と日野茂氏が根尾選手と小園選手を評価

夏の甲子園が終わり、U18アジア大会を戦う選手たち。その中で、西武ライ

盗塁:バッテリーとランナーの3.3秒の攻防

盗塁は、日本の野球に置いて、チャンスを広げ、得点を挙げるために重視され

→もっと見る

PAGE TOP ↑