2015年のドラフト会議はどうなるのか?
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プロ野球
2015年プロ野球ドラフト会議が10月22日に開催されることが決定した。昨年は早稲田大の有原航平投手、済美高の安楽智大投手などが注目されたドラフト会議、今年はどのような形になるのかを予想してみる。
例年とは違う形に
基本的にドラフト会議で注目されるのは、その年に最も良いと評価された選手であることは間違いない。昨年であれば有原航平投手や安楽智大投手が、2014年は松井裕樹投手や大瀬良大地投手であったり、2012年は東浜巨投手や藤浪晋太郎投手だった。(ただし、プロ入り後に結果的にこれらの選手が、その年のNO1だったという事ではありません。)
過去数年を見ても、投手であることが多い。日本の野球は投手が中心であり注目されることが多く、投手に素晴らしい人材が出やすい。そのため、その年の最も良い選手を獲ろうと思うと、投手が中心になってしまう。
しかし今年は様子が違う。確かに県岐阜商の高橋純平投手や、東海大相模の小笠原慎之介投手、富士大に多和田真三郎投手や駒大の今永昇太投手は、今年トップクラスの評価をされる。しかし、それと同じくらい、野手の候補者も評価されている。一言でいえば10年に一人というような人材はいないのだが、野手で1位で指名しても良いという人材が多い。
野手のドラフト1位候補が多いといっても、清原和博選手や松井秀喜選手のようなスバ抜けた感じではない。しかしそれぞれに特徴があり課題もある選手だ。1位候補に挙げられるのは次の通り。
関東第一・オコエ瑠偉選手 ・・・甲子園で驚異の足をみせつけ、打席に立つたびに拍手が巻き起こるスターとなった。
青山学院大・吉田正尚選手 ・・・プロとの壮行試合や高校代表との壮行試合で強烈なホームランを見せつけた。
明治大・高山俊選手 ・・・東京六大学の通算安打記録を塗り替える事が確実視されている。
仙台育英・平沢大河選手 ・・・甲子園でホームラン3本、遊撃手の守備でプロ顔負けのプレー見せる。
早稲田大・茂木栄五郎選手 ・・・東京六大学春のリーグ戦で5本塁打、代表でも活躍見せた。
ただし、オコエ選手と平沢選手は打撃に課題があり、吉田選手と茂木選手は長距離打者だが身長が170cm前半で、プロでどのように使われるのか将来の姿が見えにくい。高山選手は総合力が高いが代表でもクリンナップではなく、とびぬけたものが見られない。
そんな選手がドラフト1位になるのかというと、やはり、甲子園での人気や東京六大学での活躍といった話題性も加味されたもの、また高校生の候補は持っている身体能力の高さで将来性を見越して評価されている。
投手中心もバラける可能性
今はこのように注目されている野手だが、結局のところ指名が重複したりするのは高橋純平投手、小笠原慎之介投手、今永昇太投手といった投手だろう。それでも、プロ球団が現時点で野手の候補の可能性もあるということを考えながらチームの補強ポイントを見ると、今年は投手でなくても野手のポジションを埋めても良いのでは、という考えが生まれる。
例年のドラフトで最終的に投手の指名をしていた球団も、これまで課題と言い続けてきた野手の指名をしやすい状況にあると思う。そういう意味で今年のドラフト1位指名は重複は多くて3球団程度、その他はバラけるのではないかと考えられる。
大学生はこれから秋のシーズンが盛んになると、再び名前が挙がってくる選手が出てくるだろう。とはいうものの、今年のドラフト1位候補は数自体はあまり多くないようにみられる。これまで名前を挙げた選手以外では、明大・上原健太投手、仙台大・熊原健人投手、大商大・岡田明丈投手、パナソニック・近藤大亮投手というところで、できれば抽選にはなりたくない。ドラフト直前まで多くの情報が飛び交い、スカウトも他球団の動向を探る作業が忙しくなりそうだ。
(記事:Professional-view Baseball 編集部)
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