怪物と怪物が出会ったら
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高校野球
甲子園で2本、3本ホームランを放ったり、140キロ後半の速球で相手をねじ伏せる選手は、高校生の怪物といえる。夏の甲子園はそういった選手の出会いの場でもある。
怪物と怪物
怪物にとって、意識するのは自分と同じ怪物なのだろう。夏の高校野球大会準々決勝、九州国際大付属の山本武白志選手は早稲田実の清宮幸太郎選手を意識していた。また清宮選手も3本塁打を放っている山本選手を意識していた。その試合で清宮はホームランを放ち、2試合連続ホームランで山本選手に肩を並べて見せた。試合後に山本選手は清宮選手を、「末恐ろしい」と話したものの、すがすがしい笑顔を見せた。清宮選手も山本選手を「日本のトップクラスの選手」と話した。
他にも怪物が出会っている。東海大相模を相手に2番手で登板した花咲徳栄の高橋昂也投手は、2年生ですでに143キロの速球を投げる怪物である。その高橋投手はこの試合で東海大相模で152キロの速球を投げる同じ左腕の小笠原慎之介投手と投げ合い、自己最速となる145キロを記録している。それでも試合に敗れ、「小笠原さんはピンチでまったく動じていなかった。1人で投げぬいて勝てる投手になりたい」と話した。
花咲徳栄の大滝愛斗選手も50m6.1秒の俊足に長打力もある外野手として、関東第一のオコエ瑠偉選手を間近に見て意識していた。直接対決はならなかったものの、「上でやりたい」と一足早くプロ入りの意思を示した。
ステップアップ
怪物と出会う事で大きく成長する選手がいる。清宮選手だって山本選手をかなり見たはずだし、プロ入りした山本選手は後輩の清宮選手に負けないように、これからまた努力を続けられる。花咲徳栄の高橋投手もこの敗戦をばねにおそらく来年には現在の小笠原投手と同じくらいの力を持った投手になるのではないかと思う。
怪物となってしまった選手はライバルを探すのに苦労をする事になる。ライバルが見つからなければ、モチベーションが低下したり天狗になってしまうかもしれない。そんな時に自分が目標にすべき怪物と出会いそのすごさを目の当たりにすれば、自分はまだ成長できると感じられアドレナリンが出るだろう。
怪物でなくたって、これは一緒。チームメイトでも対戦相手でも、テレビで見た選手でも、まずは目標となる選手を見つけ、その選手に追いつくために努力できれば成長できる。
(記事:Professional-view Baseball 編集部)
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