背の低い選手に注目する
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スカウト活動
野球はバレーボールやバスケットのように身長が高い必要はない。サッカーに比べても頭上のプレーが多いわけではなく、身長があまり影響をしないスポーツであるといえる。しかし、プロ野球では体の大きな選手がそろっているのも事実だ。
体が大きい=パワー
体の大きな選手は全体的にパワーがあり、例えば球を遠くに飛ばしたり、速い球を投げる選手が多い。プロ野球はホームランバッターでなくても内野の間を割るには、速い球に負けないスイングの強さが必要で、パワーはどんな選手にも必要である。
投手についても、身長の高い選手はパワーもあるし、その身長を行かして角度をつけられたり、比例して腕や足が長いと、リリースがバッターに近くなる可能性も高い。よってピッチャーも背の高い選手が多い。
プロ野球のスカウトも指名する選手を外したくない。もし同じように評価をした選手がいたとしたら、体の大きな選手の方を選ぶことになるだろう。
しかし、プロ野球では一流の活躍をした選手が体が大きい選手かというとそうでもない。パワーが必要と言われるホームランについても、歴代本塁打数トップ3で王貞治氏は177cm、野村克也氏は175cm、門田博光氏は170cmと180cmを越えた選手はいない。時代的にそのころの身長の高さというものはあるだろうが、170cmでもプロで500本以上のホームランを打てる。
決めつけない事
2013年に埼玉西武にドラフト1位指名された森友哉選手、身長は170cm前後だが高校野球では春夏連覇に日本代表でも主軸を打つなど、実績十分の選手だった。しかしドラフトでは1球団しか指名が無かった。その森選手は1年目からホームランをかっとばし、2年目では他球団にとって脅威の存在になっている。
また2013年に東北楽天にドラフト1位指名された松井裕樹投手も174cmだが、140キロ後半の速球でバンバン三振を奪う。
体が小さいから、足が速くないといけないとか、セカンドを守り2番でつなぐバッティングをするとか、その必要はない。長打力があるならば徹底的に下半身を鍛え、素振り繰り返して森選手のように大きなスイングができる選手になればいい。決めつけないことだ。
選手を見る側も、決めつけて見ないように心がけなければならない。背が大きいという理由をなるべく外し、選手のスイングをみるようにしないといけない。
門田博光、森友哉に続く原石はたくさんいる。
(記事:Professional-view Baseball 編集部)
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