野球と自分の実力の評価
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高校野球
野球選手は時には道の選択が必要になる時がある。熱戦が繰り広げられている高校野球でも、3年生は夏の大会で敗れた時に、さて次はどうするか、という事になる。その時に、自分の実力をどの程度自分で理解できているかがわかれば、進路の決定は迷いにくくなるだろう。
プロ野球選手でも
プロ野球選手は、大体の選手は1年毎に契約をしている。毎年かなり多くの選手が球団を去り、プロ野球界を去っていくシビアな世界だ。戦力外の通告が行われたら、その時点で様々なその先のことを考え選択しなければならない。
元プロ野球選手の日野茂氏は、選手の頃から自分の実力を理解していた。選手時代の日野氏は、常にレギュラーを務めるような選手ではなかった。その時に日野氏は「1軍の試合に出られるように、今、自分がチームの何番目にいるのかを考えていた」という。1軍出場枠に入っているのか、自分の実力を順位づけを常に行い、順位の上にいる選手に対し、守備の特徴で上回れるように努力をしていた。
しかし選手として引退の事も考えていた。その時のために自分はどうやったら野球を続けていけるのかを考え、日野氏は指導者としての技術を身に着け、言葉を身に着けてゆき、西武や横浜ベイスターズなどでコーチや2軍監督を長い間務めた。
自分の実力をきちんと評価できる選手は、「その時」の判断も、そしてそれ以降の準備もできる。日野氏は、自分の実力を把握する事の大切さを話す。
自分の実力を把握すること
ただし、自分の実力を正しく把握するという事は、非常に難しい。指導者から欠点を指摘されたら、自信を無くして自分の実力を必要以上に低く見てしまうかもしれない。または、新聞に載ったり、プロのスカウトが見に来たなんてことがあれば、自分の実力を高く見てしまうだろう。
自分で思う実力、または指導者だったり周りの人が思っている実力、まずはそれを聞くことも大切だろう。ただし、どの程度、自分の意見を優先させるのか、他人の意見を尊重すればいいのかなんてわからない。
これはやはり日頃からの訓練になりそうだ。チームで他の選手と自分を比較したり他の選手同士を比較してみたりして、試合などで結果を見てみて、力を評価するセンスを磨いていく事が必要になるだろう。
準備しておけば、試合に敗れこれから野球を続けるのか、大学に進むのか、プロ志望をするのかの判断もつきやすくなる。監督や家族の話を聞き、自分で把握している自分の実力を見て、結論を出す。迷わないことはないだろうが、納得のいく結論が出せるのではないだろうか。
(記事:Professional-view Baseball 編集部)
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