侍ジャパン大学代表はどれだけ強いのか?
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大学野球
今日6月29日、韓国で行われるユニバーシアードに出場する「侍ジャパン大学代表」が、プロ野球(NPB)の若手選手と壮行試合を行う。今年の侍ジャパン大学代表は、どのくらいの強さなのだろう?
大学代表vsプロの戦い
2009年
かつてはプロアマ問題による溝は深く、大学生などのアマチュア野球選手とプロ野球選手が試合をやる事は考えられない時もあった。しかし近年は大学の指導者にプロ出身者が受け要られれたり、プロ側もドラフト会議で大きな問題をおこなさなくなった事もあり、一気に融和してきた。
そして2009年、セ・パ誕生60周年を記念して、プロ野球のU26センバツと大学代表が対戦11月22日に対戦をした。当時の大学代表には早稲田大3年生となっていた斎藤佑樹や中央大3年・澤村拓一投手、東海大2年生の菅野智之投手や明治大2年の野村祐輔投手、亜細亜大1年生の東浜巨投手など、その後プロ野球にドラフト1位で指名される選手がそろった実力もそして人気も高い選手がそろっていた。そしてプロアマの交流戦というは珍しかったことあり、非常に話題となった。
プロ側も侍ジャパントップチームのエースとなった前田健太投手やソフトバンク・大隣投手、千葉ロッテ・唐川投手などが出場し、試合は投手が短いイニングで交代していく事もあって1-1で引き分けに終わっている。
2010年
2010年7月には、今度は世界大学野球選手権に出場する大学代表がNPBのフレッシュ選抜を迎えての壮行試合が行われた。4年生となった斎藤佑樹投手、澤村拓一投手なども選ばれていたが、試合では翌年に千葉ロッテにドラフト1位で指名される東洋大・藤岡貴裕投手、同じく広島にドラフト1位で指名される野村祐輔投手、2012年に巨人入りする菅野智之投手など3年生が登板し、千葉ロッテに入団する中後投手が打ち込まれて大学代表は0-4で敗れた。
2011年
2011年の6月には、大学代表とイースタンリーグ混成チームによる試合が行われた。東日本大震災が発生したことや、アメリカで行われる日米大学野球に向けた試合という事もあり、明治大学野球グラウンドでやや規模が小さくなって行われている。
この試合には藤岡貴裕投手、三上朋也投手、菅野智之投手などが登板したものの5-2でイースタン選抜が勝利している。
その後は侍ジャパンの再編により侍ジャパン大学代表に名前を変えた大学代表だったが、世界大学野球選手権が中止となったりして大学代表vsNPBの試合は行われていない。
今年のチームは
投手だけを見てみると、今年の大学代表では今年のドラフト1位候補として名前が上がるのは明治大の上原健太投手だけ、また来年のドラフトの目玉として創価大の田中正義投手や神奈川大の濱口遥大投手の名前が挙がるものの、過去の代表に比べるとドラフトの超目玉という投手は少ない。野手では高山俊選手と吉田正尚選手が注目の選手で、早稲田大の茂木栄五郎選手も春のリーグ戦で5本塁打を放っているものの、レベルから行くと例年と同じくらいの打線とみられる。
今日の壮行試合は3年生で神奈川大の濱口投手が先発し、創価大の田中投手も登板するとみられる。また上原投手もリリーフで登板するとみられ、この3人はプロも圧倒する投球を見せるだろう。また、東海大の吉田投手や立教大・沢田圭介投手といった春に調子のよくなかった選手を試したいという思いもある。これらの選手が期待に応えられるかがポイントとなりそうだ。
打線では目立つ選手は少ないものの、1番の立教大・佐藤拓也選手、2番・高山俊選手、3番・吉田正尚選手の繋がりと、4番以降を打つ、茂木選手、谷田成吾選手、横尾俊建選手といった選手が得点を挙げられるかがポイントとなる。
ユニバーシアードでは初戦で韓国と対戦し、中国、フランスと予選ラウンドを戦う。参加国が少ない事もあり、中国、フランスとは実力の差がありそうだが、フランスは元阪神の吉田氏が育成に力を入れており、昨年はフランス代表が都市対抗優勝の西濃運輸を破っていて油断はできない。
また予選リーグを勝ち上がると、今度はおそらくアメリカ、台湾といった日本と実力が並ぶチームと準決勝、決勝を戦う。これらのチームとの試合では、勝ち負けを占うのは非常に難しい。この2試合をキッチリを抑えきる力が日本の投手陣にあるかどうかがポイントとなる。
(記事:Professional-view Baseball 編集部)
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