【大学野球選手権特集】富士大・多和田真三郎投手を元プロスカウトが評価する
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大学野球
いよいよ6月8日(月)より、全日本大学野球選手権大会が始まります。東京六大学からは早稲田大が、東都大学リーグからは専修大が出場をしますが、プロのスカウトが注目しているのは、富士大の多和田真三郎投手、仙台大の熊原健人投手といった地方のようです。果たしてどんな投手なのでしょうか。
今日は、多和田真三郎投手を元プロスカウトがチェックします。
多和田真三郎投手とは?
多和田真三郎投手は181cm72kgの右腕投手で、最速151キロを誇ります。高校は沖縄の中部商で、高校時代もプロのスカウトが注目した速球派投手でした。
その多和田選手、1年生で出場した秋の明治神宮大会、完投の強豪・国際武道大戦で先発すると、なんとノーヒットノーランを達成、一躍注目される投手となりました。その後も毎年のように大学野球選手権、明治神宮大会に出場し、常に成長を見せている投手です。
そして多くの人が多和田投手について話すのは、「下から投げてるように見えるオーバースロー」というもので、多和田投手は体の重心が低く、腕の振りもコンパクトで低く、バッターに近い所で球をリリースします。上から投げ下ろすのとはまったく別で、低い位置からの速球が伸びてくる印象を受けます。
元プロスカウトが評価
今回は以下の動画を、元西武スカウトの日野茂氏に見てもらい、評価をいただきました。
Youtube 多和田 真三郎(富士大学1年)⑤
Youtube 2014.5.24 富士大 多和田真三郎投手(3年)
Youtube 2014/06/10 富士大・多和田真三郎投手
日野氏にはこれまで、多くの選手の映像を見てもらいましたが、多和田投手の映像を見るなり、食い入るように見つめ、これまでにないような感嘆の声を挙げました。そして指摘したのは、
「後ろの足が腕を振らせるように、一生懸命ガマンしている」という事でした。多和田投手の低い位置のリリースは、軸足の強さにあるのは間違いないようです。
そして、「前の足でしっかりと受け止めている」と話します。最近は後ろから持ってきた体重を、前の足が突っ張るように受け止め、その反動で上半身に回転をつけて投げるフォームが目立つといいます。しかし多和田投手は前の足は突っ張っておらず、低い位置でしっかりと体重を受け止めています。
何度か映像をみた後、その他の選手も見てもらいましたが、日野氏は最後に再び多和田投手のフォームを思い、再び感想を話します。「昔は広島カープに、外木場、池谷、白石といった投手がいたが、みんなこういうようなフォームで投げてきた。」と話しました。ちなみに外木場義郎投手は131勝を挙げ、完全試合やノーヒットノーランも達成した投手、池谷公二郎投手も103勝を挙げ、1シーズン20勝も記録したエース、白石静生投手も故障と戦いながらも93勝を記録した左の好投手でした。
時代を代表した投手と比較をし、日野氏は多和田真三郎投手に、これまでで最も興味を持ったようでした。そういえば、広島カープは北別府、外木場という感じ3文字の名字の投手が活躍するというような話を、広島カープの元スカウトも口にしたりします。大瀬良大地投手がカープ入りした時もそのように言われ、大瀬良投手は1年目に10勝を挙げて新人王に輝きました。
果たして、「多和田」投手はどうなるでしょう。富士大の朱色にユニフォームを見ても、なんとなくカープのイメージがしてくるのですが・・・。
(記事:Professional-view Baseball 編集部)
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