東都で優勝した専修大学、まだ狼煙を上げただけに過ぎない
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大学野球
東都大学リーグは専修大が26年ぶりの優勝を飾った。前回優勝時に6勝を挙げてMVPを獲得した岡林洋一投手や、主軸として活躍した町田公二郎選手などについて、取り上げてみる。
ドラフト1位指名続出
専修大学は東都リーグ発足時からのメンバーで、26年のブランクがありながらも東都リーグの優勝回数も最多の32回を誇る。かつては、古葉竹識氏や山沖之彦投手、宮里太選手などをプロ野球に送り出しているが、1989年の優勝メンバーも、プロ野球から大いに注目された。
優勝メンバーの中心だったのは、当時3年生だった岡林洋一投手、2年生だった町田公二郎選手、また武藤潤一郎投手、杉山賢人投手などがいた。岡林投手は1990年のドラフト会議で東京ヤクルトが外れ1位で指名をしているが、この年のドラフトといえば亜細亜大の小池秀郎投手に8球団の指名が集まり、希望していなかった千葉ロッテが抽選を引き当てた事で話題となった。
町田選手は1991年のドラフト会議で広島が外れ1位で指名したが、この時、広島がいの一番に指名したのはドラフト1位は駒澤大の若田部健一投手だった。
杉山賢人投手は東芝に進み、武藤潤一郎投手はプリンスホテルに進んだが、1992年のドラフトで杉山投手は西武に、武藤投手は千葉ロッテにそれぞれドラフト1位で入団した。
その後、1996年に黒田博樹投手が広島にドラフト1位で、1997年の安藤正則投手が西武にドラフト1位で指名され、毎年のように注目されるチームだった。
近年は
しかし近年は2部にいることも多かった専修大、ドラフト会議で上位で指名される選手というのは非常に少なくなった。
それでも2006年には長谷川勇也選手がドラフト5位で福岡ソフトバンクに、松本哲也選手が育成ドラフトで巨人に進み、今では長谷川選手も松本選手もチームに欠かせない選手になっている。しかしその後は、2009年に土本恭平選手がJR東海を経由して巨人にドラフト3位で指名されただけで、その後は出身の選手を含めてもプロ野球選手は誕生していない。
再び
まずはリーグ戦優勝を果たした。そして今度は大学野球選手権大会で全国制覇に挑む。そして次は出身選手のプロ野球入りであろう。今年のチームは中心打者が体が大きく、振りの鋭い選手が揃う。そして後輩にも高校時代にプロ野球のスカウトが注目した選手が入部している。
これから再び専修大からドラフト1位選手が誕生するか、この優勝を見て@「叶わぬ夢は無い」と感じた選手が、殻を破ってその夢をかなえてくれるだろう。
今回の専修大の優勝は、まだ狼煙を上げただけに過ぎない。
(記事:Professional-view Baseball 編集部)
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