*

野球のトレンドは小柄でも飛ばせる選手、投げられる選手に?

公開日: : プロ野球

 プロ野球は、だいたい180cm80kgくらいの選手がプレーしていて、近くで見ると大きく感じるという印象がある。実際に平均身長は投手も野手も180cm前後というデータもある。しかし、最近、170cmの西武ライオンズの森友哉選手、174cmの東北楽天・松井裕樹投手、また横浜DeNAの小さな大魔神・山崎康晃選手も177cmの身長はあるものの、体の線が細いスマートな投手に感じる。

注目選手がトレンドを変える

 このサイトではこれまでも、右投げ左打ちが増えた事(野球のムーブメントと特徴、右投げ左打ち )などを紹介したが、他にも、例えば埼玉西武のお変わり君・中村剛也選手が活躍すると、翌年以降にDHのあるパリーグを中心に体重が100kg前後の選手が増えたりした。

 基本的に野球は、飛ばす力や投げる力のある選手が注目される傾向にあり、プロ野球のスカウトも体の大きい選手は、多少技術が伴わなくても抑えが効く事もあり、そういう選手を獲得する傾向があるように見える。実際に日本ハムの大谷翔平選手や、ソフトバンクの柳田悠岐選手などは、大きな体からものすごい球を投げ、ものすごい打球を放つ。

 このような選手を見ると、やはり体の大きい選手がしっかりと体を作ると、パワーも伴うような印象がつき、大きな選手を獲得したくなる。

 

小さな選手

 しかし現在、パリーグで9本塁打を記録しているのは2年目の170cmの森友哉選手である。体は小さくてもがっしりとした体を低く構え、地に張り付いたようなどっしりとした安定感で、ボールの下にバットを入れてびっくりするような打球を放つ。森選手は5月5日のこどもの日に、ヒーローインタビューに立った際に、「背が低くてもホームランが打てる」と話して全国の背の低い少年野球選手に希望を与えた。

 東北楽天のリリーフエース・松井裕樹投手も174cmと身長は大きくないが、力のあるストレートを投げて13試合16イニングを無失点に抑え続けた。横浜DeNAの山崎康晃投手も、ヒーローインタビューで「小さな大魔神になる」と話している。松井選手は2年目、山崎選手はルーキーである。

 もちろん大谷翔平投手、藤浪晋太郎投手のような大きな選手も活躍しているし、小さな選手のほうがいいというわけではない。しかし、身体が小さいから野球に向いていないということは無い。

 

小さな大選手に

 小さな選手が1年目、2年目から活躍しているのは、アマチュア野球時代から、小さいからこそ身体をしっかりと作り、高い技術を身に着けていた事が挙げられる。森選手も松井投手も山崎投手もアマチュア時代の実績は抜群で、ドラフト1位指名でプロ入りしている。チームメイトも対戦相手も、並んだり向かい合ったりすると、見上げるような選手ばかりだったと思う。そのたびに、大きな選手に負けないパワーと技術を身に着けて張り合い、プロでも1年目から活躍を見せた。

 逆に、ドラフトの中位から下位では将来性を見込んでの選手を獲得する事も多いが、そういう選手はやはり体の大きな選手が多いのだろう。身長が大きいものの身体ができていない、技術が伴っていないという選手が優先されることになる。

 今年の東京六大学リーグで、現在5本塁打を放ちホームラン王レースを独走しているのは、早稲田大の茂木栄五郎選手である。茂木選手は171cmの選手だが、早稲田大・高橋広監督も目を見張る長打力を持っている。

 小さな選手が大型の選手に向かっていく姿も、野球のだいご味といえる。

(記事:Professional-view Baseball 編集部)

関連記事

【ドラフト会議特集2】ドラフト会議を待つ選手の心境、王道のドラフト候補・上田浩明の場合

 ドラフト会議を待つ選手にとっては、10月23日のドラフト会議に向けてそわそわしたような時期が続くよ

記事を読む

選手の成長とケガのケアに重点を置いた、工藤監督の福岡ソフトバンク優勝に石毛宏典氏語る

 工藤公康監督が就任して1年目の福岡ソフトバンクがパリーグ優勝を果たした。コーチ未経験での就任1年目

記事を読む

出場選手登録・抹消からチーム状況を見る、パシフィックリーグ

 プロ野球は3月28日に開幕し3週間が経過しました。パシフィックリーグは4月21日終了時点で、福岡ソ

記事を読む

なぜ新人投手がいきなり活躍できるのか?BIGデータとの関係

4月24日のプロ野球では、広島の大瀬良大地投手と阪神の岩崎優投手がそれぞれ2勝目を挙げた。セリーグで

記事を読む

選手の故障の昨今

 左前腕外側部橈側手根伸筋損傷、右膝蓋靱帯炎、右前距腓靱帯損傷、現在のプロ野球選手は、病名も正確に、

記事を読む

中畑清監督について、駒大の後輩・石毛宏典氏が語る

横浜DeNAの監督を4年間務めた中畑清監督が、前半は首位だったものの後半失速し、最下位に沈んだことを

記事を読む

福岡ソフトバンクの優勝と大型補強

 2014年のプロ野球は福岡ソフトバンクが日本一となり終了した。シーズン前に大型補強を行っていた福岡

記事を読む

プロ野球選手とセカンドキャリア

日本プロ野球機構(NPB)は、現役プロ野球選手による「セカンドキャリアに関するアンケート」の結果を公

記事を読む

石毛宏典氏が対戦したくなかった西武黄金期の投手は?

1980年代から1990年代にかけての西武ライオンズは、まさに黄金時代だった。そのチームを支えたのは

記事を読む

自分のベストが決まる時

 野球選手にかかわらず、スポーツ選手は、自分のベストコンディションというものを理解している。特に野球

記事を読む



  • 解説者:日野茂氏(元横浜ベイスターズヘッドコーチ)


    解説者:石毛宏典氏(元西武ライオンズチームリーダー、オリックスブルーウェーブ監督、四国アイランドリーグ創立者)

    石毛宏典オフィシャルブログ「石毛漢動」
    石毛宏典オフィシャルブログ「石毛漢動」


    取材協力:元プロ野球選手が教える野球塾
    「ZEROベースボールアカデミー」
浅村選手、炭谷捕手などFA移籍でどうなるライオンズ、石毛宏典氏が語る

今年、パリーグを10年ぶりに制覇した埼玉西武、浅村選手、山川選手、秋山

日野氏は金足農・吉田投手、石毛氏は浦和学院・渡邉投手を評価

プロ野球ドラフト会議が近づいてきた。今年も多くの選手が注目される中で、

石毛宏典が西武の戦いに「普段通りやるしかない」

10年ぶりにパリーグ優勝を飾った西武ライオンズ、かつての黄金時代のキャ

石毛宏典氏と日野茂氏が根尾選手と小園選手を評価

夏の甲子園が終わり、U18アジア大会を戦う選手たち。その中で、西武ライ

盗塁:バッテリーとランナーの3.3秒の攻防

盗塁は、日本の野球に置いて、チャンスを広げ、得点を挙げるために重視され

→もっと見る

PAGE TOP ↑