横浜高校の渡辺監督が勇退、約半世紀の監督人生
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高校野球
横浜高校の渡辺監督が今年限りで勇退するという報道がされた。70歳、昨年、同校の小倉部長が勇退したが同じ年齢で、また勇退の発表の同じタイミングとなった。
横浜高校の監督
渡辺監督は横浜高校、神奈川大で野球をしていたが、一度は野球をあきらめ就職をしていた。しかし野球への思いが断ち切れず、酒浸りの生活をしていた時もあったという。そして人の縁があり、24歳で横浜高校の監督となると以来70歳までの46年間、横浜高校率いて、5度の優勝、さらに松坂大輔投手、筒香嘉智選手、浅間大基選手などを多くの選手をプロに送り出した。
東海大相模の原貢監督の前に苦しんだものの、1973年のセンバツ大会で甲子園に初出場して優勝を果たす。その後は再び神奈川県の中で苦しんだものの、横浜高校時にチームメイトで、横浜商業の監督をしていた小倉氏を部長に迎え、二人監督の体勢で毎年のように甲子園に姿を見せ、通算で5度の優勝を果たした。
高校野球を高いレベルに引き上げた監督の一人だった。
新たな高校野球に
歴戦の名将だったことは間違いない。智弁和歌山の高嶋監督、帝京の前田監督、日大三の小倉監督などと共に時代をリードしてきた監督だが、寄る年波にはかなわない。しかし、半世紀近く監督をするという事は、伝統の中にも新しいトレーニングや作戦を取り入れるなど変化に対応し、そして指導方法や指導のルール、そして選手のタイプや目標の変化にも対応をするというのは、並大抵のことではない。
しかし高校野球界は、大阪桐蔭の西谷監督や敦賀気比の東監督など40代、30代の監督が力を伸ばしてきている。渡辺監督の退任はベテラン監督の思うところを刺激するかもしれず、世代交代は進んでいくかもしれない。
新たな高校野球は、これから子供が減っていくという時代に立ち向かわなければならない。
(Professional baseball view 編集部)
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