大阪商業大・岡田明丈投手を、元プロスカウトが評価する
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スカウト活動
大阪商業大の岡田明丈投手がこの春に150キロを記録し、連日のようにプロ野球のスカウトが姿を見せているようです。どのような選手なのでしょうか?元プロスカウトの日野茂氏に、映像を見て評価をお願いしました。
150キロ右腕
岡田明丈投手は大阪府出身、大商大高校から大商大に進学しました。昨年秋ごろより注目され始めた投手ですが、今年春には150キロを記録、雨天でノーゲームとなった試合でも11球団のプロのスカウトが視察し、その後の試合ではチームの首脳クラスも訪れるなど、ドラフト候補としての注目が増しています。
183cmの高さがあり線はまだ細そうですが、1試合で許す四死球も少なく安定感のあるピッチングを続けています。しかし反面、プロのスカウトからは「すべての面で完成されていないからこそ、まだまだ伸びる要素がある。スケールも大きい」と、まだ未完成であるというコメントもありました。
日野氏に見てもらった岡田投手の映像は以下の通り。
youtube 大商大 岡田投手より
youtube 大商大 岡田投手 3/3
常時良い球が投げれれる投手に
日野氏は投球する姿を見て、フォームも悪くないし、タイミングよく投げられている。コントロールも悪くないはず」と話しました。ただし、球速148キロというスピードについて、「投げ方としては140キロ前後だろう。これで常時145キロ出る投手だった、大したもので将来大物になる」と話しました。岡田投手は最速は148キロですが、常時140キロ中盤を記録するかというと、話を聞いた限りではまだそうではないようです。
試合ではコントロールも良いのですが、ブルペンではもしかするともっと力のある球を投げているかもしれません。日野氏は「ブルペンでの投球を一度みて、どれだけ力のある球が投げられているのかを見てみたい」と話しました。
打者同様に、投手も試合では勝つために球速を落としてコントロールを重視したピッチングをしたりします。体もあり速い球を投げそうなんだけど、試合では140キロ前後で「こんなものじゃなさそうだ」と思った選手について、スカウトは練習でのピッチングを確認に行きます。そこで、もっと力のある球を投げていれば、試合でも力のある球を投げられるようになれば、1軍で活躍できる、と判断します。
岡田投手には、おそらくスカウトも練習での投球を見ているのでしょう。その上でスカウトはコメントをしていると思われます。将来性も抜群の岡田投手、秋のドラフト会議では何位あたりで指名されるでしょうか?楽しみです
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