*

プロのスカウトがバッティングを見る時のポイント

公開日: : スカウト活動

 選手のバッティングを評価することは非常に難しいです。プロのスカウトは打者のバッティングのどこを見て評価しているのでしょうか?今回はバッティングの評価の仕方を徹底的に紹介します。

バッティングを評価する難しさ

 まずはじめに、バッティングについては、これと決まった型というものは基本的にありません。選手の体格や体力、タイプによって、その選手に合った形であることが重要だからです。

 成績や結果と必ずしも一致しない点も挙げられます。例えば4打数3安打3打点、結果だけ聞くとバッティングで素晴らしい結果を残したと考えるでしょう。しかし実際には、満塁の場面で詰まった当たりでフライを打ち上げたものの、ちょうど内野手と外野手の間に落ちて、その間に走者が3人がホームを駆け抜けたという場合かもしれません。従ってバッティングは結果ではなく、内容を見る事になります。

 そしてバッティングを評価する機会です。1試合にスイングをする回数は4打数前後でその中でも数回だけ、その限りあるチャンスの中で評価をしなければなりません。そのため、バッティングを最終的に評価するには、何度もその選手の元へ足を運ぶことになります。

 

バッティングを評価するポイント

 それでは元プロ野球のスカウトはバッティングをどのポイントで評価しているのでしょうか。元西武ライオンズのスカウトを務めた日野茂氏に聞くと、以下の3つのポイントを挙げました。

 ・スイングの力

 ・投げてくるタイミングに合わせられているか

 ・ボールに向かっていけているか

 

 スイングの力は、そのバッターの体格であったり、打席での雰囲気であったり、そして、スイングをした時に鋭さで評価します。例えば「体が大きくてしっかりしている選手なのに力強いスイングができていない」という事であれば、「体幹ができてくれば、面白い選手になるかもしれない」と考えるとのことでした。

 また、投手とのタイミングが取れているかは、感覚的な物もあり重要な要素のようです。様々な投手と対戦し、様々な投球と対戦していくわけです。それにタイミングを合わせられるかどうかは、打者として成功するかにかかわります。

 そしてボールに向かって行けているかについては、やはり打撃の姿勢や自信の表れ、または気持ちの強さなどを表すようです。腰が逃げていたりしていては、打撃でプロで活躍する選手にはなかなかなれません。

 これらの3点を聞き、こちらから「アマチュア時代からバットにコツコツ当てて行く選手がいますが、そういう選手は評価されにくいですか?」と聞くと、「バッティングのうまさも評価のポイントで、タイミングが取れているか、向かっていく形があるか」で評価するという事でした。

 

バッターを評価するには?

 ただし、プロのスカウトはバッターの評価を試合だけでは決めないようです。試合でのバッティングで評価が低くても、練習を見ると、「練習だと力強いスイングができている」ことを確認し、試合でそのスイングができていない原因を探ってその選手を見続けていくという。

 試合でのスイング、そして練習でのスイングを比較していくことが大切だという事です。

 

 バッターを追いかけ始める時、練習の姿を見て試合を見に行く場合と、試合での姿を見て練習を見に行く場合があるという事でした。練習でも手を抜かなければ、プロのスカウトが注目する選手になるかもしれません。

(Professional baseball view 編集部)

関連記事

元プロ野球スカウトが語る、スカウトの資質とは?

 西武ライオンズでスカウトをしていた日野茂氏に、スカウトの資質について聞いた。スカウトには何が必要な

記事を読む

センバツ総括:「将来が楽しみな選手が多かった」

 センバツ高校野球大会もいよいよ準決勝、決勝の2日を残すのみとなった。準々決勝で雨天となりプレーする

記事を読む

守備の良くない投手はどのように評価されるのか

 投手の評価、もちろん打者に対する投球のすばらしさが最も評価される点だが、ドラフト会議で指名された投

記事を読む

早稲田大・吉永健太朗投手を、元スカウトが評価する

 早稲田大の吉永健太朗投手、日大三高校で、畔上翔選手、横尾俊建選手、高山俊選手などと共に夏の甲子園を

記事を読む

スカウトの目は様々なものに影響される

 元プロ野球スカウトの日野茂氏は、選手時代は内野手としてプレーしていた。プロ野球のコーチ時代も守備な

記事を読む

野球キャンプイン

1月、2月のスカウトの動き

プロ野球は2月1日に春季キャンプが始まり「球春到来」となる。この時期はアマチュア野球の高校野球、大学

記事を読む

スマホやAIの進化で、スカウト活動は変わっていくのか?

プロ野球のキャンプの終盤戦に入り、練習試合やオープン戦を中心に回り始めるようになる。キャンプに参加し

記事を読む

プロ野球スカウトの面白さ ~昔のスカウトの仕事~

 北海道日本ハムの山田GMが退任されるようだ。思えば最近のドラフト会議で、唯一会場を湧かせてくれる球

記事を読む

プロ野球スカウトの面白さ ~今のスカウトの仕事~

 プロ野球スカウト、その面白さについて元西武スカウトの日野氏にお話を聞いた。今回は後編として現在のス

記事を読む

ドラフト下位指名選手の活躍、スカウトの喜び

 昨日の中日と横浜DeNAの試合で、中日のドラフト7位ルーキー・遠藤一星選手が勝ち越しのヒットを放ち

記事を読む



  • 解説者:日野茂氏(元横浜ベイスターズヘッドコーチ)


    解説者:石毛宏典氏(元西武ライオンズチームリーダー、オリックスブルーウェーブ監督、四国アイランドリーグ創立者)

    石毛宏典オフィシャルブログ「石毛漢動」
    石毛宏典オフィシャルブログ「石毛漢動」


    取材協力:元プロ野球選手が教える野球塾
    「ZEROベースボールアカデミー」
浅村選手、炭谷捕手などFA移籍でどうなるライオンズ、石毛宏典氏が語る

今年、パリーグを10年ぶりに制覇した埼玉西武、浅村選手、山川選手、秋山

日野氏は金足農・吉田投手、石毛氏は浦和学院・渡邉投手を評価

プロ野球ドラフト会議が近づいてきた。今年も多くの選手が注目される中で、

石毛宏典が西武の戦いに「普段通りやるしかない」

10年ぶりにパリーグ優勝を飾った西武ライオンズ、かつての黄金時代のキャ

石毛宏典氏と日野茂氏が根尾選手と小園選手を評価

夏の甲子園が終わり、U18アジア大会を戦う選手たち。その中で、西武ライ

盗塁:バッテリーとランナーの3.3秒の攻防

盗塁は、日本の野球に置いて、チャンスを広げ、得点を挙げるために重視され

→もっと見る

PAGE TOP ↑