プロ野球チームの緻密な経営で、ピラミッドの頂点から落ちる日も
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プロ野球
プロ野球の球団経営は、世の中に流れと同じように透明で、細かく正確に、そして緻密になっている。それがプロ野球の絶対的な頂点の地位を崩す事になるかもしれないという話です。
公明正大で緻密な経営
プロ野球の球団運営も他の企業と同じく、収入や支出を細かく正確に、そして透明性を確保しなければならない時代になっている。
昔はプロ野球の球団自体も、オーナー企業の宣伝のためと考えられ、球団の運営だけで黒字にするという考え方も少なかったかもしれない。その分、親会社が資金を入れ、その費用で運営費用が賄われていた。
そういう時代にあって、選手への年俸やボールの購入、グッズの製作などもかなりあいまいに管理されており、以前は倉庫に売れ残ったグッズが沢山眠っていて、選手がファンにプレゼントしたりという事もあった。ボールも使われたものは地域の少年野球チームなどに、練習用として渡したりもしていたようだ。
しかし今では、グッズは売れる分だけ製作し売り切る形のものが多い。限定品といった形で販売されるものが増えており、在庫で眠っているグッズも減った。ボールも使用したものも在庫として管理されるようになった。グッズやボールを簡単に配ったりすることができなくなった。
正確な数字がわかる事で、製作するグッズの必要数が分かり、ボールも本当に必要な数が分かり、経費の削減につながる。当たり前といえば当たり前の事だが、良い面で言えば公明正大な球団運営ができるようになった。
日本野球の頂点
そのようにグッズを配ったり、ボールを配ったりすること、または金銭的な流れも多少はあったと思うが、それによって日本の球界はプロ野球に頼りながら歩んでいたともいえる。
大学、高校野球、少年野球、独立リーグのチームの運営は厳しい。硬式球は高価で、練習用のボールをボロボロになるまで使い、予算が足りなくて新しいボールも買えなかったりする。そこで以前はプロ野球で使われた中古のボールを便りにしていた。
プロ球団からボールの供給が無くなることで野球をする機会が減っている可能性もある。グッズを簡単に配れなくなったことで、新たな野球ファンの獲得のチャンスが減っている可能性もある。
放漫かもしれないが豪快だったプロ野球が支えてきた日本野球のピラミッド、頂点からの供給が小さくなり全体的に小さくなっていくのかもしれない。また、独立リーグやアメリカのメジャーリーグなどが、今後、日本の地域のそのような野球チームを支えるようになったりすれば、プロ野球が頂点から落ちる日もあるかもしれない。
(Professional baseball view 編集部)
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