選抜高校野球、注目候補の活躍はあまり見られず
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高校野球
選抜高校野球大会の1回戦が、最後の登場となる東海大四vs豊橋工の試合ですべて終わった。出場32校すべてが登場したが、プロのスカウトが色めきだった場面は多くなかった。
投手
投手では県岐阜商の高橋純平投手が圧巻だった。最速も150キロを記録し、公言していた完封とはならなかったものの2安打11奪三振1失点の見事なピッチングだった。ストレートだけでなく、鋭いスライダーもプロのスカウトが評価し、球速を130キロに抑えてもキレが良く空振りを奪えた。
下半身の強化にはまだまだ余地を残しているように見えるが、2014年の安楽智大投手や高橋光成投手クラスの評価には確実に上がったといえる。
しかし、このほかの選手では常時130キロ後半を記録するような投手も少なく、仙台育英の佐藤世那投手、敦賀気比の平沼翔太投手がさすがの投球を見せたが、この投球でドラフト圏内に入ってきたとは言い難い。昨年夏に145キロを記録した近江の小川良憲投手、昨年の優勝投手・高橋奎二投手も、投球でステップアップをし好投したものの、昨年思われた成長の期待からはやや下回ったように見える。
その他にも東海大菅生・勝俣翔貴投手、奈良大付の坂口大誠投手、英明・田中寛大投手などは素質は見えたものの、投手としては大学や社会人を経由してという思いをスカウトにさせたのではないかと思う。
今後は、隠し玉と言われる八戸学院光星の八木彬投手や、敦賀気比の2年生・山崎颯一郎投手などがまだ登板しておらず、期待したい投手だろう。
野手
野手については1回戦だけではとても判断できないが、期待通りの活躍を見せた選手としては、常総学院の宇草孔基選手、大阪桐蔭の福田光輝選手、木更津総合の檜村篤史選手、龍谷大平安の舩曳海選手だろうか。昨年の岡本和真選手のような度肝を抜く活躍を見せた野手はいなかった。
野手も2回戦あたりから暖かくなりスイングできるようになるだろう。期待の仙台育英・平沢大河選手や静岡高校の安本竜二選手、堀内謙伍選手、大阪桐蔭の青柳昴樹選手の大きなあたりなどにも注目したい。
昨年の選抜大会は、智弁学園・岡本和真選手が1試合2本塁打を打てば、佐野日大の田嶋大樹投手がベスト4まで勝ち上がるピッチングを見せ、豊川の田中空良投手、桐生第一の当時2年生の山田知輝投手、履正社の永谷暢章投手なども魅力的なピッチングを見せた。今年もこれからの試合を期待したい。
(記事:Professional-view Baseball 編集部)
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