自分のベストが決まる時
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プロ野球
野球選手にかかわらず、スポーツ選手は、自分のベストコンディションというものを理解している。特に野球選手では”ベストの体重”というものがある。これを見つけるまでには最低でも3年はかかるという話。
2年目のジンクス
たとえば、大学生や社会人の選手がプロ野球の世界に飛び込む。そして1年間プレーをする。その時点で1軍で活躍できた選手は、2年目はどうするかというと、さらに体を強くしようと考えることが多い。そして、もし1年目で活躍できなかった選手も、当然、1軍で通用するための身体づくりに励む。
そうして2年目、1年目で活躍した選手のうち、半数くらいは1年目よりも成績を伸ばせなかったりする。そして3年目に再び1年目の時の体重やスタイルに戻して再び結果をのこしたり、1年目の頃の状態を取り戻せずに、長い時間悩み続ける選手がいる。
特にそういう選手が多いというわけではないと思うが、2年目も1年目と同じくらいの活躍を期待していた選手が成績を残せないと目立ってしまうため、2年目のジンクスと呼ばれることになる。
昨年で言えば
昨年で言えば、横浜DeNAベイスターズの三嶋一輝投手がそうだった。1年目は78kgで臨み、6勝を挙げた。ただし6勝では満足をしない。体のキレを増すため2年目のキャンプには5kg体重を落として臨んだ。
しかし期待とは裏腹にオープン戦などで球の力が無く、開幕でも結果を残せずにシーズン終盤まで0勝となる。そして終盤に球威が戻り1勝を挙げると、その時の体重が1年目の体重と同じ78kgだったという。
2年目だから研究されたという事もあるかもしれないが、同期入団のドラフト3位・井納翔一投手は1年目の5勝を上回る11勝を挙げてチームのエース格となっている。相手というよりは自分の調子の良し悪しの要素が強そうだ。
ベスト体重を見つけるのに
プロ野球で数年間続けて活躍した選手は、自分のベスト体重を理解している。それは身体的な成長が止まり、経験や技術で勝負する段階に入った選手でもある。そうなるとケガでもしない限り長い間活躍を続けることができる。
高校生からプロ入りした選手などは、まだ身長が伸びていたりと、身体の成長が続いており、まだベスト体重を決めることはできない。
そして大学卒、社会人卒で体の成長がある程度止まった選手でも、1年だけの活躍だけではベスト体重かどうかは分からない。2年目にもっと活躍したら3年目、4年目とさらに自分のベストを目指す。2年目に失敗したら1年目に戻ったりする。そして3,4年でベスト体重の状態を見つけたら、プロ野球で成功したといわれる選手となる。
野球は生身の人間が、例えば150km/h近い球を投げたり、その球を0コンマ数秒の単位で判断して打ち返したり、走塁、送球なども0コンマ何秒の世界で戦う、人間の限界の部分同士で戦うスポーツだから、少しの体重や状態で結果が変わる。のだろう。
(記事:Professional-view Baseball 編集部)
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