*

野球のムーブメントと特徴、ライト前を守るセカンド

公開日: : 少年野球指導

 野球のムーブメントは現在も起こっている。広島カープで今年入団4年目となる菊地涼介選手、セカンドの守備は多くのプロ野球選手やOB、そして日米野球で対戦したメジャーリーガーからも高く評価された。また歴代の補殺ランキングでも驚異的な数字を見せ、セカンドの守備を大きく変える選手かもしれない。

補殺

 補殺とは基本的にはフライアウトではないアウトを取った時の数で、多くはゴロを捕球してランナーをアウトにした数になる。

 ※ ただし、例えば6-4-3の併殺の場合は、遊撃手と二塁手に補殺がついたり、犠飛でタッチアップしたランナーをアウトにするのも、刺殺と勘違いされるが補殺としてカウントされる。ちなみに刺殺は、飛球を捕ってアウトにした時や、送球を受けてアウトにした側の選手にカウントされる。

 例えば外野手がフライを捕球し、バックホームしてタッチアップのランナーをアウトにした時には、フライを捕球することで刺殺、タッチアップのランナーをアウトにしたことで補殺になる。また、セカンドゴロで二塁手が一塁手に送球してアウトにした時、二塁手は補殺、一塁手は刺殺がカウントされる。

 

 この補殺数というものは、多くのゴロを捕球すること、正確なスローイングでランナーをアウトにすること、また、併殺など多くのプレーに関わる事で数が増える。必然的に併殺プレーに関わる二塁手や遊撃手が多くなるが、歴代の1シーズンの補殺数を見ると、

歴代
ランク
選手 守備(年度) 補殺数
菊池涼介 二塁手(2014) 529 
菊池涼介 二塁手(2013) 528 
坂本文次郎 三塁手(1955) 522 
杉浦清 遊撃手(1948) 502
鈴木武 遊撃手(1954) 501

となり、菊地選手が2年連続で記録を更新、それ以外では1960年前の選手の名前が出ており、歴史を塗り替えている選手だという事がわかる。

菊池選手が守備範囲が広く、送球が強くて正確であることが示されている。

 

菊池選手が変えるセカンドのイメージ

 セカンドというポジションは、多くの役割をしなければいけない、最も難しいポジションである。送りバントの際はセカンドをカバーしたりファーストに入ったり、またセカンドランナーのけん制のプレーなど、いろいろやることがある。

 ただし、能力的には肩が強くて守備範囲の広い選手はショートを守り、セカンドは肩がやや弱いような選手がコンバートされることが多かった。もちろんファーストへの距離がショートより近いためだ。

 しかしそれも菊池選手の登場で変わりつつある。

 ・守備範囲が狭ければ、なるべくバッターに近い所で守り、横の動く距離を短くする。ただし抜かれる打球は多くなる。
 ・肩が強くなければ、取ってからファーストに送球してアウトにできる位置が守備位置となる。

 そして、もしセカンドが守備範囲が広く、肩が強い場合には、ライトの前付近まで下がって守備をしても、横の打球においついて、強くて正確な送球でバッターランナーをアウトにできる。

 チームにとっても、その分ライトは後ろを、センターはレフト側をカバーする事ができ守ることができ、全体的な守備の範囲が広くなる。

 強肩で守備範囲の広いセカンドがいる事は、非常に大きな影響があり、菊池選手は数少ないそういう選手だ。

 

セカンドのムーブメント

 セカンドを守る選手は、これから菊池選手のプレーを見て、勉強し、参考にし練習に取り組むことになる。これまでのセカンドの定位置よりも後ろに守り、守備範囲と送球をアピールする選手も出てくるだろう。

 菊池選手の登場で、そういうセカンドの選手が出てくる事になりそうだ。そういう意味で、菊池選手は、イチロー選手のような野球の変革を起こす選手となりそうだ。

 (記事:Professional-view Baseball 編集部)

関連記事

様々なプレーを経験をしておくことの大切さ

元プロ野球選手が教える野球塾のゼロベースボールアカデミーでは、4月のある日、逆シングルのプレーの練習

記事を読む

プロ野球が少年野球チームを運営へ

 東北楽天がリトルシニアのチームを運営していくことが分かった。リトルシニア連盟に所属し、最初は20人

記事を読む

野球は技術!

以前、広岡監督、森監督、野村監督などの選手の育て方について、石毛宏典氏に語ってもらった。広岡監督は野

記事を読む

元プロ野球選手が教えるという事

元プロ野球選手が、大学野球や高校野球、そして少年野球チームの監督やコーチとして選手を指導しているケー

記事を読む

野球も変わっていく

 野球も時代で変わっている。トレーニング方法、調整方法、そしてチーム、指導者も。野球はどんな方向に進

記事を読む

自主性と個性的なフォーム

 メジャーリーガーには、独特な投球フォームやバッティングのフォームで打つ強打者がいると言われる。一方

記事を読む

指導者の器量と選手の信念

野球をする少年達にとって、戸惑う事がある。それは、指導者によって指導内容が違う事。しかしそんなことは

記事を読む

変わる野球の育成システム

野球界は現在大きく変わっている状態と考える。多くの選手の中から有望な選手を探していく形から、選手を育

記事を読む

目標を立てる

2017年がスタートしました。野球選手の皆さんも、「大会で優勝すると」、「来年の進路を決める事」、チ

記事を読む

少年野球選手の肩と肘を守る

 全日本野球協会(http://www.baseballjapan.org/jpn/index.ht

記事を読む



  • 解説者:日野茂氏(元横浜ベイスターズヘッドコーチ)


    解説者:石毛宏典氏(元西武ライオンズチームリーダー、オリックスブルーウェーブ監督、四国アイランドリーグ創立者)

    石毛宏典オフィシャルブログ「石毛漢動」
    石毛宏典オフィシャルブログ「石毛漢動」


    取材協力:元プロ野球選手が教える野球塾
    「ZEROベースボールアカデミー」
浅村選手、炭谷捕手などFA移籍でどうなるライオンズ、石毛宏典氏が語る

今年、パリーグを10年ぶりに制覇した埼玉西武、浅村選手、山川選手、秋山

日野氏は金足農・吉田投手、石毛氏は浦和学院・渡邉投手を評価

プロ野球ドラフト会議が近づいてきた。今年も多くの選手が注目される中で、

石毛宏典が西武の戦いに「普段通りやるしかない」

10年ぶりにパリーグ優勝を飾った西武ライオンズ、かつての黄金時代のキャ

石毛宏典氏と日野茂氏が根尾選手と小園選手を評価

夏の甲子園が終わり、U18アジア大会を戦う選手たち。その中で、西武ライ

盗塁:バッテリーとランナーの3.3秒の攻防

盗塁は、日本の野球に置いて、チャンスを広げ、得点を挙げるために重視され

→もっと見る

PAGE TOP ↑