野球選手のヒーローインタビュー
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プロ野球
日野茂氏が湘南シーレックス(現横浜DeNAのファームチーム)の2軍監督をしていた時、野球の技術だけでなく、あらゆることを教えたという。その中で、インタビューの仕方についても行っていた。
インタビュー
毎年、プロ野球では新入団選手の講義を行っており、その中でインタビューの仕方の実習もある。選手の何人かが指名され、元アナウンサーの講師の前で実演をして、ダメ出しをされるのが毎年恒例の話題となる。
しかし以前はインタビューの仕方というものは、講義で教わったりせず「自然に慣れで覚える」という考え方で、特に講義や練習などは行っていなかったらしい。
2000年、ファームチームの独立採算を目指して横浜ベイスターズのファームチームが「湘南シーレックス」として誕生すると、日野2軍監督は野球以外にも様々なアイディアを球団職員と一緒に考えた。その中に、ファームチームでのヒーローインタビューもあった。
ファームチームはほとんど客を呼ぶことは無いし、その気もない。球団によってはスタンドも粗末なままで、客に見せるものではないという考え方もある。その中でヒーローインタビューなんて考えられなかった。
しかし、湘南シーレックスは地元横須賀のお客様を呼ぶことを目指しており、1軍だけで行っていたヒーローインタビューをファームでも行った。これはスタンドに来てくれたファンに対して大きなサービスとなり、選手にとってもいつか1軍でお立ち台に立つ時の経験の場として有効だった。
現在、湘南シーレックスは無くなったが、横浜DeNAのファームではヒーローインタビューが続けられている。
ここが問題、ヒーローインタビュー
日野氏は2軍監督時代、選手に対してヒーローインタビューのやり方も教えたという。そして、今のプロ野球選手のヒーローインタビューに苦言を示す。
ヒーローインタビューで良く「応援してください!」と話す選手がいるが、日野氏は
「観戦に来る人のことを考えてない。言うならば『自分の姿を見に来てください!』というべきだ」
という。
「プロ野球を見に来る人」と「プレーする野球選手」、ファンは試合で勝利をしたり、戦う姿やプレーを見に、感じに来ている。勝つ喜びや必死のプレーを見ることが目的で応援をするのだから、応援するために来ているのではないと。
もちろん結果的にスタンドでやることは「応援をする」のだが、選手から「応援を求める」のはやや違う。
「みなさんの声援が力になります」というのは良いが、「必死に戦うので見に来てください」という気持ちを持ってほしいという事だ。
アメリカの選手はプレゼンテーションやインタビューに慣れている選手が多いという。表現する教育が日本よりも行き届いているのかもしれない。そしてよく使うのは「ベストを尽くす」「チームを勝利に導く」といった言葉だ。プロ野球選手のヒーローインタビューにも注目してみてください。
(記事:Professional-view Baseball 編集部)
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