新春のスカウトの動き
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プロ野球
年が明けた。12月までに前年にドラフト会議で指名した選手との契約が終わってから、スカウトにとって束の間の休みとなる。しかし、スカウトの正月はほとんどない。
来年のドラフト会議に向けて
1月、正月が明けるか正月中に、早くも来年のドラフト候補たちが動き出す。チーム練習を行う高校、大学、社会人チームもあり、スカウトたちは年始のあいさつに顔を出す。
福岡ソフトバンクのスカウトが、あるドラフト候補選手がいるチームが毎年恒例で行っている新春マラソンの視察に訪れた、という事もあった。候補にアピールをして信頼される存在になること、またチームの監督などに挨拶をして人間関係を作ることが目的となる。信頼関係が深くなれば、いろいろな情報を教えてもらったりすることもできる。
そして、1月の2週目以降にも、今秋のドラフト会議の候補をリストアップするスカウト会議が行われる球団も多い。
今では選手の情報管理もシステム化されており、これまで視察した選手とその評価はすでに球団に伝わっているのだが、やはり数百人に上る候補のリストアップをする会議までには、それなりに準備することもある。
新入団選手のケア
また、もう一つ大切な仕事が、昨年のドラフト会議で指名して獲得した新入団選手の事。トレーニングの進め方や悩みの相談もすれば、チームの監督やコーチ陣にその選手の特徴を伝え、キャンプでの指導内容やそれ以降の起用法などを考えてもらうようにする。
その選手を一番よく知っているのは担当のスカウトで、選手も一番近い存在として不安な中で頼ることも多いだろう。また監督・コーチもどんな選手なのかをイメージするため、スカウトからその選手の情報を聞く事になる。
大変忙しい季節なのだが、新入団選手の活躍、そして今年のドラフト候補との出会いを想像し、希望も期待も膨らむ季節でもある。
(記事:Professional-view Baseball 編集部)
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