来年の野球はどうなる? その1:高校野球
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高校野球
今年もあと1週間となりました。来年の野球界の動きや予想などをしてみます。
2015年の高校野球
主な大会の日程
第87回選抜高校野球大会
1月23日 出場32校が決定
3月13日 組み合わせ抽選会
3月21日 開幕
第97回全国高校野球選手権大会
8月3日 組み合わせ抽選会
8月6日 開幕
主な動き
- 春季大会でタイブレーク導入
- PL学園が野球部の部員受け入れの募集停止
- IBAF18Uワールドカップが甲子園など関西で開催(8月28日~)
大きな動きとしてはタイブレークの導入が挙げられる。まずは甲子園大会に直結しない春季大会から導入され、すでに実施している大会もあるためそれほど大きな声にはならないかもしれないが、どんな結果になり、プレーする選手や監督がどんな感想を持つのか興味深く、これによってさまざまな意見や議論が行われるかもしれない。
PL学園は高校野球の名門中の名門で、春夏で7度の全国制覇、25学年連続でプロ野球選手誕生、数々の名プレーヤーを輩出したチームである。プロ野球に行きたい選手がPL学園に集まり野球部も募集を続けていたが、チーム内の暴行事件などから出場停止し、2013年秋から監督不在の状況が続いていた。
それでも今年春までは野球部の募集が続いており、中学生で注目された選手が入部していたが、来年春から募集を停止すると発表をしている。まったく野球部に新入部員を入れないのか、PL学園に入学した生徒が野球部に入部OKなのかはわからないが、専任の指導者がいない中で中学生で注目された選手などの入学は無くなる。
この秋も近畿大会の出場するなど、専任の監督不在の中で成績を残しているPL学園、名門野球部の火が消えてしまうのか今後の動きが注目される。
そして18Uワールドカップが今年は日本で開催され、甲子園球場も開催予定地に挙げられる。日本の高校野球の聖地で世界の同じ世代の選手がプレーをするのは感慨深い。18Uは2012年は6位、2013年は準優勝、2014年はアジア杯だが韓国に敗れ準優勝と優勝から遠ざかっている。2011年に神奈川で行われたAAAアジア選手権では高橋周平選手などの活躍により優勝をしている。開催地の日本は負けられない。
高校野球の予想
予想は非常に難しいが、センバツに関しては投打に選手が揃い、明治神宮大会で優勝した仙台育英が強い。また昨年優勝の龍谷大平安もエース2枚が残り、夏のベスト4・敦賀気比もエースが残っている。
その他にも機動破壊の健大高崎、猛打の静岡高、投手の好投で勝ち上がった浦和学院、関西を制した天理など実力校がそろい、また県岐阜商は152キロの速球を投げる高橋純平投手がいる。話題が多い大会となりそうだ。
また夏については、今年の夏の覇者で、甲子園に8度出場し4度の全国制覇をしている大阪桐蔭が注目される。優勝メンバーも何人か残り、エースが抜けた穴を埋める選手が出てくるかどうかだろう。
そして指導者が変わったり抜けた名門チームも注目したい。横浜高校は渡辺監督とタッグを組んできた小倉部長が退任した。戦術面などに長けていた小倉氏の穴を渡辺監督とコーチがどのように埋めるのか注目したい。また渡辺監督もこの11月で70歳となった。いよいよ世代交代へ向かう事になりそうだ。その他にも九州国際大付の若生監督、熊本工業の林監督、八頭高校の徳永監督、拓大紅陵の小枝監督、佐賀工の吉丸監督が退任した。また済美の上甲監督が亡くなった。
新しい監督の元でどんなチームに代わっていくのか、注目したい。
秋のドラフト会議ではその高橋純平投手に既にプロ球団が1位候補として名前を挙げるなど、今年の安楽智大投手や高橋光成投手のように中心選手となりそうだ。また仙台育英の平沢大河選手も評価が高く、昨夏に140キロカルテットとして注目された吉田凌投手、小笠原慎之介投手なども注目される。
(記事:Professional-view Baseball 編集部)
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