新・慶応義塾大野球部が始動、全国大会で優勝するために
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大学野球
慶応義塾大は大学野球の雄である。早稲田大とともに日本の野球の発展を担ってきた。東京六大学でも今年春のリーグ戦を制し、34度目の優勝を決めている。しかし全国制覇となると、大学野球選手権は1987年から、明治神宮大会は2000年に優勝を決めて以来、全国制覇から遠ざかっている。
慶応義塾大の現状
慶応義塾大は東京六大学では34度の優勝を誇るが、実は六大学の中で4番目、1位は法政大の44度、2位は明治大の43度、3位は早稲田大の37度となっている。早稲田大とは接戦を繰り広げるが法政大、明治大には差をつけられている。
また全日本大学野球選手権は優勝は3度にとどまっている。法政大は8度、明治大は5度、早稲田大は4度の優勝をしている。また明治神宮大会でも3度の優勝で明治が5度、法政が3度、早稲田が1度となっている。レベルの高い東京六大学とはいえその中で消耗する所もあり、また地方リーグでは実力の抜きんでたチームが全国で勝つための戦力を整えており、全国の大会で東京六大学のチームが勝つのは簡単ではない。
それでも慶応大は大学野球選手権は1987年から、明治神宮大会は2000年から優勝ができていない。ちなみに1987年は伝説のリーグ31投手・志村亮投手や巨人にドラフト1位指名された大森剛選手がいたチームだった。
その後、1997年には高橋由伸選手、2007年には加藤幹典投手、2012年には伊藤隼太選手、2013年・福谷浩司投手がドラフト1位で指名されているが、全国制覇には届かなかった。
明治大、法政大が全国から優秀な選手をスカウトする中で、慶応大は付属校を中心とした推薦となり選手の層の差が出ているように見える。しかし付属の慶応義塾高校がスポーツ推薦で選手を集め始めると、2005年から甲子園に出場し、その選手たちが大学で主力として活躍、2014年は春優勝、秋も優勝に絡む活躍を見せている。
全国大会で優勝するために
選手の層は明治は早稲田に劣る。しかし、谷田成吾選手、横尾俊建選手といった高校時代に注目された選手が中心となり、2年生の加藤拓也投手の大車輪の活躍などで優勝を争うが、短期間のトーナメントでは勝ち続けることは難しい。やはり選手の層をそろえなければならない。
そして今年、慶応大はJX-ENEOSで都市対抗3度の優勝をしているトーナメントの戦い方を知っているOBの大久保秀昭氏を監督に招いた。すべては全国で優勝するためにという事だろう。
慶応義塾高校は甲子園の出場は出来ていないが、今年も能力の高い選手がそろっており大学に進学する見込みだ。そして、谷田成吾、横尾俊建といった主軸が最後の都市となる2015年、全国での優勝するチャンスとなる。
(記事:Professional-view Baseball 編集部)
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