福岡ソフトバンクの優勝と大型補強
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プロ野球
2014年のプロ野球は福岡ソフトバンクが日本一となり終了した。シーズン前に大型補強を行っていた福岡ソフトバンクの優勝はどのようなものだったのか。
2013年オフの補強
2013年オフに断行した福岡ソフトバンクの主な補強は、
- 岡島秀樹投手 アメリカより
- 中田賢一 FA 中日より
- 鶴岡慎也 FA 北海道日本ハムより
- スタンリッジ 阪神より
- サファテ 埼玉西武より
- ウルフ 日本ハムより
- 李大浩 オリックスより
それでもリーグ戦では78勝60敗、3位には大差をつけたものの、オリックスにはゲーム差なしの優勝だった(80勝62敗)。ほかにも2013年に多村選手とのトレードで獲得した吉村裕基選手、五十嵐亮太投手も優勝に貢献しているほか、主軸を打った内川聖一選手や捕手として活躍した細川亨選手もFAで獲得している。
生え抜き選手は
しかし生え抜き選手も活躍を見せている。2005年に自由枠で獲得した松田選手、2007年に高校生ドラフト2位で獲得した中村晃選手、2009年にドラフト1位で獲得した今宮健太選手、2010年ドラフト2位の柳田悠岐選手、2011年ドラフト1位の武田翔太投手などが活躍、長谷川選手、本多選手、明石選手などが脇を固めた。
チーム戦略は成功か
全体的にはFAや他球団の外国人の獲得といったFAや外国人による補強が、ドラフトでの補強以上に優勝に与えたの間違いないと思われる。ただしこれは批判されるポイントでは決してない。メジャーリーグ的なチーム強化戦略と言える。
結果日本一になることができた。観客が増えたり、グッズ販売が増えたりと波及効果も当然大きいだろう。そしてもう一つの目的である球団の収支がどようになるのか、注目をしたい点だ。大型投資をしても大きく利益が得られれば投資効果は高かったといえる。
日本では難しい
メジャーリーグではニューヨークヤンキースのように、他球団の戦力を集めてチームを作る球団(もちろん選手も育てるが)は、毎年補強を続けていく必要がある。メジャーリーグのように球団数が多く、また移籍しやすい制度でもあり、各球団のエースや4番を打つ有力選手が毎年のように移籍市場に出てきている。従ってそういう選手を毎年獲り続けることも可能かもしれない。
しかし日本は12球団しかない。またFAによる移籍はそれほど多くなく自球団を除いた11球団からFAや外国人の獲得ができる人数は非常に少ない。やはり日本では、ドラフト会議で有望選手を獲得する必要性は高いと考えられ、自前で他国の有望な外国人選手を探し出す必要もあるだろう。
福岡ソフトバンクの戦略はこれからが正念場となりそうだ。
(記事:Professional-view Baseball 編集部)
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