【ドラフト会議特集7】ドラフトの目玉、早稲田大・有原航平投手はプロで活躍できるか
公開日:
:
大学野球
今年のドラフト会議(10月23日)まであと10日を切り、各球団の動きも最後の慌ただしさを見せている。今年のドラフトで最も名前が挙がってくるのは、早稲田大・有原航平投手だった。この有原投手はプロで活躍できるのか、元西武スカウトの日野茂氏に解説をおねがいした。
広島が1位指名を公表
広島の松田オーナーは10月10日、マツダスタジアム内の会議室で行われたスカウト会議の終了後に、「1位が決定しました。早大の有原くんです」と名前を公表した。地元広島・広陵高校の出身で、常に追い続けていた。187cm90kgの大きな体があり、最速で156キロを記録する今年のドラフトの目玉候補だ。
当然、この有原投手には他球団も注目をしている。巨人は春より有原投手の名前を挙げ、阪神も10月18日に中村GMが東京六大学の早稲田大戦を視察し、1位指名を決めるという。他にもドラフト1位候補の中に有原投手の名前を入れている球団は多く、今年のNO1投手と言えるだろう。
しかし、この有原投手に不安がないわけではない。広陵高校時に春の選抜高校野球大会では準優勝したものの、夏は調子を崩した。プロが注目をしたものの早稲田大学へと進学をした。
大学でも1年生の時から150キロ近い球を投げていたものの、好投した次の当番で大量失点をしたりと、3年生までは13勝しながらも10敗をしていた。それでも4年生春には5勝を挙げてこれでプロの評価はぐんぐんと上がった。しかし、優勝を書けた早慶戦では7回を投げて2失点に抑えながらも敗れてしまう。
課題があるも直る
まずは4年生春のピッチングフォームを、元スカウトの日野氏に見てもらった。見てもらった映像は以下の通り。
(Youtube 2014/6/20 有原航平 (早稲田大学) 154km/h計測 4年生 2014年ドラフト候補 より)
有原航平投手の課題の一つとして挙げられるのが、ストレートがシュート回転する事だ。体の開きやバランスによるもので、日野氏はこのフォームについて指摘をした。ただし、「これはプロで直る」と断言している。その他の点も含め「馬力もあり十分ドラフト1位候補」と評価した。
有原投手は156キロを記録しているが、リーグ戦では球速よりもやや力を抜いたフォームでコントロールを重視する。これは東海大の4年生の時の菅野智之投手に似ている。菅野投手に比べると、コントロールや変化球の質ではまだ及ばないように見えるが、ここまでの馬力を持ち、それを抑えながらでも140キロ後半で押すことができる投手はなかなかいない。
プロ入りしてから課題を克服するのに、少し(といってもほんの少し)の時間が必要かもしれないが、プロで活躍している姿が見える。ドラフトの目玉はやはりドラフトの目玉だった。
(記事:Professional-view Baseball 編集部)
関連記事
-
-
大学野球も2014年全日程終了!今年の大学野球シーンを振り返る
明治神宮大会の大学の部、決勝では駒澤大学が明治大学を3-0で下し、駒澤大学が王者となって2014年
-
-
東京六大学・東都が初戦敗退、地方大学の波
大学野球選手権の2日目、東京六大学代表の慶応大が神奈川大に敗れ、東都大学リーグ代表の亜細亜大が創価
-
-
2016年のドラフト候補の目玉・田中正義投手
2015年のドラフト会議が終わり、2016年のドラフト会議に向けたスカウト活動がスタートしている。
-
-
今度は大学生、社会人の季節
センバツ高校野球が盛り上がりの中で幕を閉じた。そしていよいよ週末に、一部の大学リーグ戦がスタートする
-
-
早慶戦が他の試合と違う点
今日から東京六大学リーグでは早慶戦(慶早戦)が行われています。なぜ早慶戦が特別なのか、理由を挙げてみ
-
-
さらにすそ野が広がる大学野球
日本の野球界は、高校野球は高校野球連盟の調査によると平成27年度には4021校、168,898人の部
-
-
中央大・島袋洋奨投手の現在、甲子園優勝投手の進路に関して
甲子園の春夏連覇、新しい所では2012年に大阪桐蔭が藤浪晋太郎、森友哉といったメンバーで、1998年
-
-
島袋洋奨投手はプロで活躍できるか
2010年の高校野球は興南高校が春夏連覇を達成した。その時のエース・島袋洋奨投手は大学時代に明と暗