【ドラフト会議特集6】京大生、田中英祐投手はプロで活躍できるか
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大学野球
今年のドラフト会議で話題となりそうなのが、京都大の田中英祐投手だろう。身長は180cmまでいかないようだが最速149キロの速球を投げ、関西ではNO1、全国でも屈指の右腕投手として評価されている。
元西武スカウトの日野氏が田中投手を評価する。
田中英祐投手とは?
田中英祐投手は兵庫の名門・白陵高校出身、毎年東大、京都大、大阪大などに2桁の合格者を出す進学校である。その高校で野球部に入部すると1年生でエースとなり、3年時には甲子園にも出場した加古川北戦で7回1失点と好投するなど、実力は評価されていた。
京都大に進学すると1年生秋に147キロを記録し、その後も立命館大や近畿大、同志社大、関西学院大、関西大といった甲子園で活躍した選手を集められる大学を相手に好投を見せると、2年春の関西学院大で5安打完封1-0で勝利し、京都大の連敗を60で止めた。
3年秋には立命館大戦で延長21回237球を一人で投げ抜き、13安打15奪三振で無失点に抑える快投を見せると、プロのスカウトも「この世代でリーグNO1」と評価するに至った。
4年生の春までに7勝(26敗)、325回を投げて223奪三振、防御率は2.21となっており、大学屈指の右腕として多くの球団がドラフト候補に挙げた。
田中投手も8月の阪神との交流戦で登板した際にプロ志望を決断している。
元プロスカウトの評価
田中英祐投手の映像を元西武スカウトの日野茂氏に見てもらった。
Youtube https://www.youtube.com/watch?v=pZRLLlV33R8 田中英祐 (京都大)より
「指導はそれほどなかったようで、自分でフォームを考えて作ってきたように見える」と話した。自分の持っているものを出そうという物が感じられるとのこと。
課題としては、「下半身が弱く、下のひねりが小さい」「フォームに無駄な動きが多い」とポイントが挙がり、「投げ切れていない印象がある」と指摘した。
ただし、「下半身ができた時に、これまでの研究成果が出る」と話す。これまで自分のフォームを自分で考えて作ってきているため、頭の中にイメージが出来上がっている。その状態で下半身を強くしていけば、それに合ったフォームに自分でつくりかえられる、という。
自分のフォームを理解しないと、たとえば体型が変わったり、フォームの欠点を指摘されてフォームの改造をすると、自分のフォームを見失ってしまう。そうして本来の球が投げられなくなった投手も少なくない。
プロ入りするまでにいかに自分の体やフォームを理解しているかで、プロで長い間投げられる投手になる。
即戦力ではないものの、下半身が出来て、それにアジャストしたフォームになった時、「京都大」ではなく「プロ野球選手」田中英祐がスタートする。
(記事:Professional-view Baseball 編集部)
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