【ドラフト会議特集4】スカウトの仕事、交渉事
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スカウト活動
プロ野球のスカウトは、チームのために必要な戦力をそろえる事。選手を見て評価をすることが最も主な活動になってくるが、もう一つ重要な事がある。獲得したい選手との交渉事だ。これは野球に深くかかわった人でなければ難しい仕事だと感じた。
ドラフト前の交渉
高校生や大学生がプロ志望届を提出し、社会人選手についてもプロ入りの意思があるかの確認が進んでいる。プロ志望届を提出すると、学生はプロ野球の関係者と交渉ができる。その交渉をするのはスカウトの仕事である。
素直に交渉ができればよい。高校生の場合は未成年という事もあり、親や親族、または高校の監督や部長(先生)が交渉を担当することになる。大学生、社会人だって監督などチーム関係者が交渉の窓口になることが多い。
そして交渉時は、詳しくはかけないが、いろいろな関係者が出てきたり、いろいろな条件が出てきたりする。チームのほかの選手を指名することだったり、ドラフトの指名順位だったり、そのほかのことだったり。
またドラフト直前には指名の可能性が高い選手に挨拶の連絡をいれたり、会見や指名後の段取りなども済ませておいたりと、細かい所までが忙しい。
ドラフト後の交渉
そしてドラフト会議で指名後は、指名のあいさつをした後、契約の話に入る。ここでも関係者が出てきたりといろいろなことがある。球団と選手の関係者との間に立ち、厳しい交渉が行われる。
この交渉事は、やはり野球に深く携わっていた人のほうがうまくいくのだろうと思う。相手の交渉担当の監督が、スカウトの高校時代、大学時代の先輩・後輩だったりすると、当然話は早くなる。
選手を評価する能力とともに、関係者とタフな交渉力が求められるスカウト。チームの裏方だが、チームの強さを支える大きな力だ。
(記事:Professional-view Baseball 編集部)
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