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高校野球のタイブレーク導入に5割が支持のアンケートは適切か?

公開日: : 高校野球

 

 高校野球連盟は、選手の健康管理に関するアンケート結果を公表した。報道によると、「回答した3951校のうち、1964校がタイブレーク導入を支持した」とされているが、果たして本当に支持されているのか?

アンケート方法

 アンケートの詳細と回答数を以下にまとめる。

◎質問1:選手の健康管理に関して、以下のどの方法を導入するのが良いか。

質問1の結果 硬式 軟式
①投手の投球数制限を実施 474校
(12.0%) 
44校
(9.9%) 
②投手の投球回数制限を実施 423校
(10.7%)  
96校
(21.6%) 
③タイブレーク制度を実施 1964校
(49.7%)  
238校
(53.6%) 
④その他の方法を実施
 (現状維持という回答も含む) 
1090校
(27.6%)  
66校
(14.9%) 

◎質問2:もしタイブレーク制度を導入した場合には、以下のどれが適当か。

質問1の結果 硬式 軟式
①9回終了後、10回から実施 508校
(13.4%) 
87校
(20.3%) 
②延長12回終了後、13回から 2079校
(54.8%)  
211校
(49.2%) 
③延長14回終了後、15回から 194校
(5.1%)  
37校
(8.6.6%) 
④延長15回終了後、16回から 1011校
(26.7%)  
94校
(21.9%) 

 アンケートは数字を有利に導くことができる方法がいくつかあるので疑ってかかる必要がある。設問の方法が、どれかの制度を選ぶという形になっており、投球制限や投球回制限の次にタイブレークがあることにより、また「現状維持」は単独の回答ではなく、その他になっている。

 しかも次の設問にタイブレークについて何回ならOKか、という設問が用意されており、「この回ならば」といった雰囲気を出す効果もあり、タイブレーク導入を前提としたアンケートになっているのは疑いようがない。やや戦略的なものを感じさせる。

 ただし、設問自体は理解しやすく、④に比べ③が圧倒的に多い事を考えると、おおよそタイブレークには賛成という事のようだ。

 

連投に対する設問は?

 ただし今回の設問で、選手の健康管理に重要な意味を持つと思われる、いわゆる連投(完投した翌日に再び先発して完投するような)についての施策については、設問1の中に入っていなかった。連日試合が続くような大会日程も大きな問題の一つだと考えられ、その設問がないのは大会を運営する高野連側の意図があるのではないだろうか?

 野球で投手の場合、9回で150球を投げる事もあれば、延長12回で120球の場合もある。確かにイニング数が増えれば相対的に球数も増えるが、これまで故障が発生した投手は、延長12回以上投げたことが負担になったのだろうか?それとも連投をしたことが負担になったのだろうか?

 タイブレークを導入するのと同時に、試合の間隔を広める施策についても考えなければならない。

 

 アンケートを取るならば、連投を避ける施策についても項目の中に入れる必要があると強く訴えたい。

(記事:Professional-view Baseball 編集部)

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