【ドラフト会議特集2】ドラフト会議を待つ選手の心境、王道のドラフト候補・上田浩明の場合
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プロ野球
ドラフト会議を待つ選手にとっては、10月23日のドラフト会議に向けてそわそわしたような時期が続くように思える。ドラフト会議を待つ選手はどんな心境なのか、ドラフト会議に指名された経験のある二人に事情を聴くと・・・。
王道のドラフト候補
上田浩明氏は西武で15年間プレーをしていたが、184cmの体がありながらも守備固めで試合に出場するなど、ファンにとっては守備の職人としての印象が強いのではないでしょうか。
その上田選手は1987年に西武にドラフト2位で指名されますが、指名されるかどうかといった不安も少なかったようで、王道のドラフト候補でした。
上田選手は大阪の北陽高校でプレーしていましたが、当時は1985年に渡辺政仁選手が巨人にドラフト3位で指名され、1986年にも榊原勝也選手が大洋(現横浜DeNA)にドラフト6位で指名されていました。その流れでスカウトが練習グラウンドや試合に姿を見せ、内野で184cmの身長があり、長打を飛ばす上田選手に注目が集まるのは当然でした。
高校3年になるとなんと11球団のスカウトがグラウンドに訪れ、監督や関係者に獲得の意思を伝えてきました。また上田選手の元には、近畿大や京都産業大の関西の名門大学や、日本生命、松下電器(現パナソニック)といった関西の名門社会人からも誘いを受けており、今後に不安のない状態でドラフト会議を迎えます。
ドラフト会議当日
ドラフト会議の直前に、西武からは、3位から4位で指名すると伝えられていました。当時のドラフト会議は正午を挟んで午前中にドラフト1位2位指名を、午後から3位以降の指名を行っていました。そこで上田選手は高校の食堂で昼食をとっていると、突然高校のマネージャーが駈け込んできます。
「西武が2位で指名した」
場所を設けての記者会見などの用意はありまえんでしたが、慌てて高校の応接室に向かいました。
ドラフトの指名の可能性が高く、指名されなかったとしても大学や社会人チームに行く事もできた上田選手でしたが、当日はやはり緊張していたようです。
1987年のドラフト会議は
ちなみに1987年のドラフト会議は、PL学園が春夏連覇を果たし、立浪和義選手が中日にドラフト1位指名、橋本清投手が巨人にドラフト1位指名されました。
ロッテは伊良部秀輝投手をドラフト1位で指名し、ヤクルトは抽選の末、長嶋一茂選手を獲得しました。その中で西武は地元・浦和学院の鈴木健選手を指名します。鈴木選手はPL学園の立浪選手と比較されるほどの選手でしたが、早稲田大学進学を示唆して他球団が指名を見送る中での指名でした。
上田選手はドラフト2位で指名され、1位、2位とも高校生内野手の指名となりました。鈴木選手は主軸打者として、上田選手は守備職人として西武の戦力として支えました。
名門高校で注目され、高校生でドラフト上位指名された上田選手、プロ入りに不安のない状況でドラフト会議を迎え、回りの元プロ野球選手からは「王道のドラフト候補」と言われています。
(記事:Professional-view Baseball 編集部)
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