*

器用な選手じゃないから続けられた野球人生、石井一久投手、里崎智也選手の引退

公開日: : プロ野球

 昨日、埼玉西武で昨年まで22年間プレーをした石井一久投手の引退セレモニーが行われた。石井投手は千葉市出身で、昨日はその千葉ロッテのファンの前でのセレモニーとなった。そして今日、千葉ロッテで15年間プレーをした里崎智也選手の引退が報道された。

石井一久投手

 石井一久投手は東京学館浦安のサウスポーで、当時はとにかく球が速い180cmの左腕投手ということで注目された。そのストレートは、3年夏の千葉県大会では4試合で54奪三振を奪った。ただしコントロールは良くなく、プロのスカウトの評価も割れた。

 1991年のドラフト会議では若田部健一投手に福岡ダイエーや巨人、広島、西武が、また斎藤隆投手に大洋、中日が、田口壮選手にオリックスと日本ハムが指名重複し、石井一久投手はヤクルトに1位指名されて入団した。

 ヤクルトでは制球難に苦しんだものの、1992年の日本シリーズでは高卒新人ながら3戦目に先発を任されるなど期待を受け、その後、1995年に13勝、1998年に14勝を記録するなど、ヤクルトの黄金時代を支えた。

 2002年にはメジャーリーグのドジャースに移籍し、1年目に14勝、3年目に13勝を記録した、その後メッツに移籍したものの翌年にはヤクルトに復帰し11勝を挙げると、2008年には西武に移籍し11勝を挙げている。

 スケールの大きなノーコン左腕投手は、その育成がプロ野球の夢だと思うが非常に難しい。その中で日米合わせて182勝を挙げた石井選手は、大成功の例と言える。

 

里崎智也選手

 里崎選手は鳴門工から帝京大に進学すると、帝京大では4年時にホームランを量産し、同じ首都リーグでホームランを放って活躍した原2世と評価されていた。しかし当時はヤクルトの古田敦也捕手など打つだけでなく守れる捕手も注目され、打撃が注目されていた里崎選手の評価はわれていた。

 また里崎選手が指名された1998年のドラフト会議は、松坂世代がいた大豊作の年だった。松坂大輔投手、新垣渚投手、上原浩治投手、福留孝介選手、藤川球児投手など、メジャーでも活躍したような選手がいた中で、里崎選手はドラフト2位で千葉ロッテに指名された。

 里崎選手は得意の打撃で、2001年にはフレッシュオールスターでホームランを放ちMVPを獲得したり、代打でホームランを放ったりとアピールを続けたものの、捕手としてはレギュラーを獲れずにいた。しかし2003年の5月に代打で結果を残してから捕手としても出場すると、2005年のプレーオフには優勝を決めるタイムリーを放ち、日本シリーズでも阪神を圧倒して勝利した。

 2006年には第1回WBCの日本代表メンバーに選ばれると、正捕手としてマスクをかぶり世界一に輝いた。その後は度重なる故障を克服しながら2度目の日本一を果たすなど活躍を続けたが、2013年に伊東監督が就任し、2012年に田村龍弘捕手、2013年に吉田裕太捕手をドラフトで獲得し、かぶり続けたマスクを置く時を悟っていたようだ。

 

プロでの生き方

 アマチュア時代は石井投手はストレート、里崎選手は打撃と、一つ抜きんでたものを持っていた。そして石井投手は安定したコントロールや鋭い変化球を身に着け、里崎選手も経験を積んで正捕手としても千葉ロッテの投手を支えてきた。

 器用な選手ならば、アマチュア時代から器用さを見せていただろう。二人は不器用な選手だったと思う。それでもプロでこれだけ続けることができたのは、努力しかないと思う。もし二人が器用な選手だったとしたら、ここまでの記録を残す選手にはならなかったのではないかと思う。

 

お疲れ様でした。そして今後は二人がどんな選手を育てるのか、まだまだ興味は続きます。

(記事:Professional-view Baseball 編集部)

関連記事

プロ野球12球団のスタメンを見てみる

プロ野球のペナントレースも、各球団20試合程度を消化している。石毛宏典氏は「なんでスタメンを固定しな

記事を読む

今年のドラフトは豊作か?

プロ野球キャンプでは昨年のドラフト会議で指名されたルーキー選手、特にドラフト1位で指名された選手が、

記事を読む

出場選手登録・抹消からチーム状況を見る、パシフィックリーグ

 プロ野球は3月28日に開幕し3週間が経過しました。パシフィックリーグは4月21日終了時点で、福岡ソ

記事を読む

かつてのプロ野球選手のトレーニングとは?

今年のオフはダルビッシュ有投手のTwitterにて、トレーニング方法の話が良く聞かれ、大谷翔平投手、

記事を読む

横浜DeNA・山崎康晃投手がすごいのは投げる球だけではない

2014年に横浜DeNAにドラフト1位で指名され、新人最多セーブとなる37セーブを挙げて新人王獲得確

記事を読む

小さな選手も大きな活躍ができる

高校野球では早稲田実の清宮幸太郎選手と、履正社の安田尚憲選手が活躍を見せ、早くも来年のドラフトの目玉

記事を読む

西武ライオンズはこれから上がっていく、石毛宏典氏が話す

西武ホールディングスの株主総会が行われ、西武ライオンズについて株主より厳しい意見が出たようだ。元西武

記事を読む

自分を売り出せ!新人選手!

プロ野球では新人選手が各チームの寮に入寮する季節となった。これからキャンプ開始の2月1日まで合同自主

記事を読む

【ドラフト会議特集9】ドラフト会議を10倍楽しくするためのテレビ番組

 10月23日に行われるドラフト会議まであと1週間を切った。今年のドラフト会議を楽しむためにも、今週

記事を読む

今年の西武ライオンズは行ける?石毛宏典氏に聞く

4月18日時点で7勝6敗、3位の位置にいる埼玉西武ライオンズ、辻監督に代わり、選手起用の面や戦い方に

記事を読む



  • 解説者:日野茂氏(元横浜ベイスターズヘッドコーチ)


    解説者:石毛宏典氏(元西武ライオンズチームリーダー、オリックスブルーウェーブ監督、四国アイランドリーグ創立者)

    石毛宏典オフィシャルブログ「石毛漢動」
    石毛宏典オフィシャルブログ「石毛漢動」


    取材協力:元プロ野球選手が教える野球塾
    「ZEROベースボールアカデミー」
no image
桐生第一・蓼原慎仁投手が甲子園のマウンドに

ゼロベースボールアカデミーで、小学校3年から6年間、野球の練

浅村選手、炭谷捕手などFA移籍でどうなるライオンズ、石毛宏典氏が語る

今年、パリーグを10年ぶりに制覇した埼玉西武、浅村選手、山川選手、秋山

日野氏は金足農・吉田投手、石毛氏は浦和学院・渡邉投手を評価

プロ野球ドラフト会議が近づいてきた。今年も多くの選手が注目される中で、

石毛宏典が西武の戦いに「普段通りやるしかない」

10年ぶりにパリーグ優勝を飾った西武ライオンズ、かつての黄金時代のキャ

石毛宏典氏と日野茂氏が根尾選手と小園選手を評価

夏の甲子園が終わり、U18アジア大会を戦う選手たち。その中で、西武ライ

→もっと見る

PAGE TOP ↑