【高校野球】レギュラーをめぐる戦いがスタート
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高校野球
夏の高校野球大会が8月25日にやや遅めに幕を閉じて1週間と少し、高校野球はその大会中からすでに、来年に向けた大会が始まっている。
チームは毎年変わる
秋の大会には3年生は出場することは出来ないため、野球部を引退する。そして2年生が最上級生となり、新たなチームがスタートする季節だ。
高校野球の監督の頭の中には、すでに新チームの構想がある。2年生で中心的な選手がいて、その選手が投手ならば来年のチームは守りを中心にした形にしよう、4番を打つものすごいスラッガーならば、その選手の前にチャンスが作れるチームにしようと。チームの伝統の形というものは当然あるものの、その学年に在籍する選手のタイプ、そして中心となるような選手を見てチームを作り上げていく。
それは例え甲子園で優勝したチームでも、いやおうなく3年生はいなくなり新しいチームにならざるを得ない。特に3年生の中心選手がそろったチームほど、下級生の試合経験が少なく秋の大会では苦戦することもある。
選手にとってもチャンス
選手にとってもチャンスである。ポジションがリセットされいよいよ自分が主役になれる。
これまでレギュラーになれなかったのが、実力的に3年生にかなわなかったという選手ばかりではない。全国4000校近くの高校があれば、その中には3年生と2年生に軋轢があったりして、満足いく野球生活が送れていなかった選手もいる。その選手にとっても心機一転の時期となる。
野球塾のゼロ・ベースボールアカデミーでも毎年楽しみな季節だ。卒業生が高校野球で背番号をもらったという報告が入ってくる。具体的な名前は出せないが、関東の甲子園で優勝経験のある超名門校でこの夏から4番を打っていた選手、別の優勝経験のある名門高校で1年生で3番サードのレギュラーとなった選手、東北の名門校でこの秋4番を任される選手などがいる。
ほかにも都大会で常に上位に顔を出しているチームのセカンド、北関東でこちらも県大会常連のチームで1年生でエースになった投手など、楽しみな報告が続く。
この時期にレギュラーとなったからと言って、来年、レギュラーである保証はない。または今大会中にレギュラーを奪われる選手だっているだろう。レギュラーとなった選手は必死にそれを守ろうと頑張り、レギュラ―になれなかった選手もレギュラーを奪おうと必死に頑張る。
その戦いがスタートする。
(記事:Professional-view Baseball 編集部)
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